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翌日。
今日は北の国でも一段と天気の悪い吹雪が吹き乱れている悪天候。
ネロ)幸先悪いな
ファウスト)何かあって外に行こうとしてもこれでは簡単に行けない
スノウ)オズ。このままじゃ賢者様や若い子達が凍死してしまう
オズ)……
フィガロ)年長者達が魔法をかければいいですよ。悪天候で外に出られないのは向こうも同じですから逃げられる可能性が低くなる
私達は正装に身を包みミスラが開けた空間の扉を潜る。
ヴィンセント)賢者様、アーサー
アーサー)叔父上
扉の先にはヴィンセントさんと中央の兵士が立っている。
予め時間と場所を伝え合流する予定だった。
晶)すみませんお待たせしました
ヴィンセント)私共も今来たところです
老人)中央の国のヴィンセント様、そして賢者様と魔法使いの皆様
昨日案内してくれた方がカツカツと靴を鳴らして歩いてくる。
老人)遠い所から御足労頂き誠にありがとうございます。それではご案内しますので恐縮ですが先導させて頂きます
オーナー?は私達を手招きするように歩き始め、私達は着いていくしか無かった。
本当はヴィンセントさんに此処は危険なので何かあった時の打ち合わせをしたかったのだがまさかこうも早く邪魔が入るとは思わなかった。
私は戸惑いながら着いていこうとした。
ヴィンセント)いや、大丈夫だ。また他の者に案内してもらおう。今私達は話をしている
老人)……作用でございますか。かしこまりました。それでは失礼します
そう言い残すとオーナーは来た道を戻って行った。
晶)ありがとうございます
ヴィンセント)いえ。それで話とは?
私は私に送られてきた招待状とミーミラのことを話す。
私の話を聞いたヴィンセントさんは、やはりかと言わんばかりの表情をしていた。
晶)どうかしましたか?
ヴィンセント)いえ、先程の紳士の強引さに違和感を覚えたので。何かあるのでは無いかと思ってはいました
アーサー)何か緊急事態が起こればすぐに伝えます。なので叔父上には何かあった際すぐに避難できる準備をして頂きたいです
ヴィンセント)分かった
晶)ありがとうございます
そうしてヴィンセントさんは一礼した後に衛兵を連れて式典会場へと入っていった。
ルチル)そうだ、賢者様。皆で合言葉を作りませんか?
晶)合言葉?
ルチル)はい。そうしたら賢者様が入れ替わってしまっても偽物だと気づけますから
晶)いいですね!
ルチル)それじゃあ合言葉は……
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作者名:荒城の月 | 作成日時:2022年2月16日 23時