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ファウスト)いいか！全員で祈るんだ
俺達はそれぞれ媒介を持ち、黒いモヤを囲むようにして祈り続ける。
途中攻撃をしようとモヤは棘を飛ばして来るがレノが弾いてくれる。
年長者達も参加してもらおうと思ったが純粋な若い子達だけの方が祈りは成功すると見込んで遠くで待機してもらっている。
晶)……
賢者もこちらに参加し、皆で祈る。
黒いモヤ】あぁあ……けけかけ、けけ、きかか…けん……じゃぁ……
晶)…私？
黒いモヤ】ﾏｯﾃﾙ、ずっとｽﾞｯﾄｽﾞｯﾄ、無事がなぁ
ミチル)賢者様を待ってる……？
ルチル)それに心配もしてるみたいだね
黒いモヤ】ざみじぃよぁぉおおぁあ！！
晶)……
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カグラ)寂しいよぉぉお！！
戻ってこない顔も名前も分からない誰かを待ち焦がれて彼女は大きく泣いた。
ヒースクリフ)……
俺は彼女に近づく。
カグラ)！
ヒースクリフ)ごめん、俺はあなたが望んでる人じゃない
カグラ)……じゃあお呼びじゃない
ヒースクリフ)……もうこんなことやめませんか？
カグラ)こんなこと……？誰かの帰りを待ちわびるのがこんなこと？誰かの無事を願ったらいけないの？
ヒースクリフ)もうあなたの大切な人は帰ってこない
カグラ)……なかなか厳しいこと言うじゃないかぁ、坊やぁ？
一瞬で俺に敵意が向けられる。
正直怖い、今にでも逃げ出したい。
けれど……。
ヒースクリフ)あなたが待ってる人はきっともう元の世界に帰りました。賢者様は世界に1人しかいません。もうすでに俺達の賢者様は居ます
カグラ)……
ヒースクリフ)きっとあなたも分かってるはずだ
カグラ)……分かってる。分かってるよ、でも、それでももう一度会いたい。そして今度はサヨナラを言いたい
ヒースクリフ)それはもう……
カグラ)…分かってる
彼女は立ち上がって膝に着いた土を手で払う。
カグラ)もう終わりにしよう。精霊達にも沢山迷惑をかけた。……この森は美しい森だった、それを私は汚したんだ。あの人が教えてくれた歌で。ごめんね、皆。ごめんね……賢者様
その瞬間世界が崩れた音がした。
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黒いモヤの中から小さな光が漏れる。
シノ)ヒース！！！
シノは黒いモヤの方へ走り出した。
黒いモヤ】賢者……さまぁぁ…！
晶)……
彼女は真っ直ぐな目であたしを見た。
晶)ありがとう！ずっと待っていてくれて、ありがとう！さようなら！！！！
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作者名：荒城の月 | 作成日時：2022年2月16日 23時
