まほやく！(妄想)2

西の国 ページ20

(姉も魔法使い)
シャイロック)お姉様、そんなに言ってしまっては可哀想ですよ
シャイロックが経営するバーにたまに遊びに来る私だけれど今日は面倒な客がいる。酒で悪酔いし、迷惑をかける輩だ。シャイロックの堪忍袋の緒がキレそうになったところで私が相手のプライドをズタボロにする。シャイロックが高嶺の花ならば私は毒の棘。可哀想と言う割にシャイロックもクスッと笑ったので実際どっちが花か毒か分からない。

(姉は魔法使いではない)
ムル)死ぬのかい？姉さん。最期に死というのはどう言うものか教えて欲しい
しわくちゃな体になり、水分というものが見た目じゃ分からない歳になった100歳の誕生日。私はもう体を動かすことは出来なかったけれどそれでもムルは昔から変わらない。ずっと月に恋して、ずっと研究して……私はそんなムルが羨ましかった。ムルに嫉妬し、賞賛し、絶望する。そんな感情を感じさせてくれた貴方に感謝して私はムルの問いかけに答えることなく意地悪でそのまま眠った。

(姉は魔法使いではない)
クロエ)凄く上手に出来たと思うんだ……！
我が家の弟は魔法使い。家族皆あの子を遠ざけるけど私は楽しいことが好きなのでよく家族の目を盗んでクロエの部屋に遊びに行ってはお互いに刺繍を見せ合いっこしていた。
しかし、それがバレてしまい私はクロエと面会できなくなる。そんな矢先に現れた紳士で旅してる魔法使い。どうか、クロエに自由と幸せ合せを与えてやってください。と消えた魔法使いにただ願うのだった。

(姉は魔法使いではない)
ラスティカ)聞いたことの無い音色……もう１回聞いてもいい？
2人でバルコニーの上で、ラスティカはチェンバロ。私はヴァイオリンを心の赴くまま演奏し、今思いついた旋律を奏でるとラスティカは興味津々に聞いてくる。
これはね、可愛い弟と今この時間が永遠に続くようにと願っていたら浮かんだのと伝えるとならば僕もと2人でこの後も音色を奏で続ける。

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