まほやく！(妄想)2

南の国 ページ43

(私も魔法使い)
フィガロ｢ほら、ルチル、ミチル。先生の妹だよ｣
北で神様をやって、中央で英雄に肩を貸して、今は南で診療所をやってる可哀想な兄様。
ま、そんなこと口に出したら殺し合いになちゃうから言わないけれど我が兄ながら同情してしまう。
今は両手に子どもの手なんて握って、チレッタの子どもかなんだか知らないけれど今の兄様の顔を絵に描いて後世に残してやりたい。
そんな気持ちを隠して私は優しく子ども達にこんにちはと微笑む。

(私は魔法使いではない)
ルチル｢ごめん、ちょっとミチル見てて！｣
はーい！と生まれたばかりの泣いている弟を抱っこする。
兄様は今私達の為にご飯を作ってくれているので自然と子守りは私の役割になる。
母様が死んでまだ現実を受け入れられないけれどそれでも弟は可愛いし兄様も大好き。
私も早く大きくなって兄様の力になりたい。大好きな大大大好きな兄様の為に、家族のために。

(私は魔法使いではない)
レノックス｢力と上手に付き合う方法を探そう｣
私は女だけれど周りの子より力が強かった。
だから言い合いになると言葉で勝てないから相手を殴ってしまう。どうしてレノ兄はこんなに温厚で優しいのに私はこんなに短気で意地悪なんだろう。
ひとりで悩み、蹲っているとレノ兄が大きな手で私の頭を撫でてくれた。
その手は何者からも守ってくれる戦士の手みたいだった。

(私も魔法使い)
ミチル｢魔法はこうやって使うんですよ！｣
隣の家に住んでいる1つ年上のミチルお兄ちゃん。
ミチルお兄ちゃんの家にはお母さんがいない。私もミチルお兄様のお母さんに会ったことはないけれど偉大な魔女チレッタというらしい。そんな偉大な魔女チレッタさんの息子であるミチルお兄ちゃんは私を妹分だといつも魔法を教えてくれる。
私知ってるんだからー、フィガロ先生におしえてもらってること。
でも、お兄ちゃんとこうして魔法を使って遊んだりするのはとても楽しいから出来るならずっとこうして遊んでいたい。

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