魔法使いの約束(その後)2 (ページ48)

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ラスティカと1日ページ48

どれくらいの時間が経ったんだろう。
あっという間なのか長く感じたのかよく分からない。
私が歌い終わるとクロエが拍手をする。

クロエ「とても綺麗な歌だね」
晶「うん、なんか心が洗われるような気がして私はこの歌好きなの」
クロエ「うんうん、とっても分かる。それに賢者様の歌声も素敵だった」
晶「……ありがとう」
ラスティカ「もっと賢者様の世界の歌に触れたいです」
晶「……いいよ」

あんなに最初は恥ずかしかったのに今は歌いたくて堪らない。
昔は歌ってたらうるさいと言われてたけどここでは褒めてもらえる。
その特別感をもっと味わいたかった。

晶「青空に線を引く飛行機雲の白さは
ずっと何処までもずっと続いてる
明日を知ってたみたい
胸で浅く息をしてた
熱い頬冷ました風も憶えてる
未来の前に竦む手足は
静かな声にほどかれて
叫びたいほど懐かしいのは
一つのいのち真夏の光
あなたの肩に揺れてた木漏れ日」

歌い終わりピアノが聞こえなくなると魔法舎の窓から拍手がいくつか聞こえた。
周りを見てみると北の魔法使いやオズなど意外な人たちもいた。

フィガロ「いいね、賢者様の世界の歌はとても優しい」
リケ「賢者様お歌が得意なのですね！」
晶「そんなことないよ」
ラスティカ「オーエン、一緒に歌ってみたらどうだい？」
オーエン「は？嫌だけど。なんで歌わなきゃいけないの」
ラスティカ「オーエンの歌声もとても綺麗だから」
オーエン「それならお前が歌えば」

そう言い残しオーエンは煙のように消えてしまった。

晶「みんなで歌おう！楽しいよ！！」

私は満面の笑みで皆にお誘いをした。
その後少しずつ魔法使い達が増え歌い、踊り、演奏し続け夜まで続いた。
いつの間にかお酒を飲む人達も現れこういうのが宴って言うのかなってなんだか楽しくなった。

……楽しい。楽しいなぁ…。こんな楽しい1日がずっとずっと続けばいいのに。

ラスティカ「今日は賢者様の1日をくださってありがとうございます」
晶「いいえ！こちらこそありがとう！ラスティカの1日なのになんだか私が満喫しちゃってごめん」
ラスティカ「賢者様が喜んでくださることが僕の喜びです」
晶「ありがとう」

私は空を見上げる。
綺麗な星に綺麗な月。
そして今日の綺麗な思い出。
忘れたくないなぁ、ずっと私の宝物であって欲しい。
今後みんなと過ごしていく中でもっと沢山いろんな宝物が欲しい。

私は月にそう願った。