魔法使いの約束(その後)2 (ページ33)

今日:11 hit、昨日:16 hit、合計:17,488 hit

2 ページ33

ラスティカ「賢者様」

私はゆっくりと目を開けた。
目に映るのはラスティカの顔だった。
周りを見てみるとネロとオズ、フィガロ、ファウスト、シャイロックが居た。
そして屋根の上を見る。
そこには白い影があり下を見ている。

オーエン「残念だったね、賢者様。まだ生きてるみたいだよ」

そう言い残し彼は煙のように消えた。

ネロ「大丈夫か賢者さん」
ファウスト「怒鳴り声が聞こえると思って来てみれば……全くオーエンはなにを考えているだ」
オズ「朝になれば任せてもらおう」
晶「……いえ、大丈夫。私が悪いので」
フィガロ「賢者様、なにがあったか聞かせて貰えるかな」
晶「……ごめんなさい。言えない、でもオーエンは悪くないんです」
シャイロック「ずるい方、こんなに心配させて起きながらさらに秘密に隠すなんて」
晶「……そんなことよりファウスト大丈夫ですか？」
ファウスト「あぁ、心配いらない」
フィガロ「医者の腕がいいからね」
シャイロック「それで？存在価値がなんですって？」

……聞かれてました。全て。

晶「……」

私はそっと立ち上がろうと力を込める。
すると同時にラスティカが私を抱きしめた。

ラスティカ「賢者様は追いかけっこが好きですか？」

いいえ、嫌いです。すみません。

ネロ「そりゃさ魔法使いは嘘つきだけど……」
ファウスト「……なにが賢者をこんな不安にさせているんだ」
晶「……この男所帯の魔法舎で私は1度も襲われたことがないです」
フィガロ「賢者様は襲われたいの？」
晶「……いいえ、でも私はそんな使われ方しかされなかったから。だからどこか不安だったんです、いつもと違うから、きっとこれが普通なんだろうけど……」
ネロ「まぁ、あんな彼氏と父親だったらなぁ」
晶「……あと、私は賢者だから皆に大切にして貰えるのであって私を見てくれる人は居ないのかもしれない。そう思ってしまったんです」
フィガロ「ねぇ、賢者様知ってる？」
晶「はい？」
フィガロ「賢者ってさ今の賢者が居なくなればまた呼べるんだよ」

だからなんだって言うんだ。

フィガロ「俺たちが賢者を大切にしてるなら今頃賢者はペチャンコになってた。だって次なんていくらでも呼べるしね。でも、なんで1人じゃなくてみんな此処にいると思う？今が昼で全員起きてたら心配して駆け寄って来たよ」

……。

フィガロ「俺たちは君が大好きなんだよ、晶」