魔法使いの約束(その後)2 (ページ31)

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「」ページ31

私は目が覚める。
起きると外はとても暗い。
私はゆっくりと起き上がり部屋の外へ出る。
魔法舎は基本的に灯りがあるので外が暗い以外朝と変わらない。

私は廊下を歩く。
今日あった出来事を振り返りながら。
私は徐々に涙が溢れてくる涙になんでお前が泣くんだよと腹を立てながら窓を眺める。
その場所は以前が夢遊病でオーエンに声を掛けられたところだった。

晶「……」

私はゆっくりと窓から身を乗り出し屋根の上に乗る。
大きな月が私を見ていた。
もっと上に行きたい。
そう思い屋根の更に上へ上って行き魔法舎で1番高い屋根の上に立っている。

晶「……ｽｩ」

私はゆっくりと息を吸い込む。
そして優しく息を吐くと同時に歌う。

晶「夕闇迫る、雲の上。いつも1羽で飛んでいる、鷹はきっと悲しかろう。音も途絶えた風の中、空を掴んだその翼。休めることは出来なくて……」

何故これを歌い出したのかは知らない。
でも、歌いたくなった。
今の複雑に絡まった気持ちを落ち着かせるように解放する。
涙が止まらない。

晶「心を何に例えよう、鷹のようなこの心。心を何に例えよう、空を舞うような悲しさを」

私は屋根の上をくるくる舞うように回る。

オーエン「もう歌わないの？」

回った先に写ったオーエンの姿。
私は急に恥ずかしくなった。

晶「オ、オーエン。いつからそこに」
オーエン「聞いたことない歌が聞こえてきて上がってきた」
晶「お願いです。このことを誰にも言わないでください」
オーエン「もう遅いよ。起きてる魔法使いはみんな聞いたんじゃないかな」
晶「え！？」

私は歌うことに集中していたのか声量ミスしたみたいだった。
よく見れば所々窓が開いている。

晶「……まじかぁ」
オーエン「それは賢者様の世界の歌？」
晶「うん、有名な作品の歌」
オーエン「へぇ」

オーエンは私の近くに来て座る。

オーエン「続き歌ってよ」
晶「嫌だよ……。私みんなみたいに上手じゃないし」
オーエン「拒否権あると思ってるんだ」
晶「……じゃあ交換条件」
オーエン「僕にも歌えって言ってるの？偉そうだね賢者様」
晶「ううん。他のこと」
オーエン「なに」
晶「…キスしてください」
オーエン「は？」

オーエンが何言ってんのって顔で私を見る。

オーエン「嫌だよ、頭おかしくなったの」
晶「……言い方を変えます。私を自由に使ってください。キスでも体でもなんでも、欲のはけ口に使ってください」