魔法使いの約束(その後)2 (ページ28)

今日:14 hit、昨日:0 hit、合計:17,475 hit

9 ページ28

ファウスト「……シノ」

ファウストがシノにか弱く声をかけるが彼には聞こえてない。

ヒースクリフ「……シノ」

ヒースクリフが真剣な目でシノに声を聞くよう促す。

ヒースクリフ「命令だ。殺すな」
シノ「！……」

シノの動きが止まる。
燃えているモノクロームを見る。
燃えてはいるが死んではない。
死ぬ様子も無いが炎が消えないのか苦しんでる。

シノ「……御意」

シノは炎を消して大鎌を消す。

オズ「『ヴォクスノク』」

オズが呪文を唱えた。
次の瞬間モノクロームが綺麗なマナ石へと変わる。

シノ「オズ……」
オズ「私が石にした。何か文句はあるか」

オズはシノを見る。
シノは下を向いた後ファウストを見る。
ファウストはフィガロの治療を受けていた。

スノウ「モノクロームが消えたことによって賢者とルチルの行方が分からなくなったのう」
ミスラ「はやく探してくださいよ！」

シノ「……ファウスト」
ファウスト「全く君は……。怪我はないか？」
シノ「……あぁ」

━━━━━━━━━━━━━━━

晶「ここは……何処だろう」

私は暗い世界に居た。
どこを見渡しても暗闇で今立っているのが地面かどうかも分からない。
すると自分の後ろが明るくなり目が痛くなりながらもその光の方へ進んだ。

チレッタ「あんたなんなのよ」
モノクローム「待ってくれチレッタ！私は君のことが！」
チレッタ「私はあんたなんか眼中にないの。これ以上着いてくるようなら石にするわよ」

あの女性がチレッタ。
とても美人でよくルチルとミチルに似ている。
チレッタさんが生きているということはこれは過去だろうか。
そしてまた場面が切り替わる。
今度は緑が綺麗な穏やかな場所だった。
すると後ろからルチルが歩いてくる。

ルチル「賢者様」
晶「ルチル、大丈夫？」
ルチル「はい、私は大丈夫です。賢者様もお怪我はないですか？」
晶「はい。あの……ここって」
ルチル「私達の育った場所です」

一軒家の中からチレッタが洗濯物を籠に入れて出てきた。
その後ろには子どもがチレッタに着いて出てくる。

ルチル「母様……」

ルチルは悲しそうな、寂しそうな、懐かしいような思いを浮かべチレッタをみた。
後ろの子どもはルチルなのだろう。
ルチルはチレッタに近づく、しかし私達の姿は見えてないのだろう。
チレッタと昔のルチルが何か話しているがなにを会話してるかは聞き取れない