魔法使いの約束(その後)2 (ページ26)

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シノ「凄い、俺もあんな強くなりたい」
ヒースクリフ「大丈夫かな……向こうの人達」
レノックス「あれは……」

雷が落ちた方を眺めていると北と西の魔法使いが飛んでくるのが見える。
何故かとても急いでいるようだった。

ミスラ「よかった、何処にもないですね」

ミスラが箒から軽やかに降りてくる。
続いて他の魔法使い達も箒から降りてくる。
ブラッドリーが縛られてるモノクロームを持ってる。

アーサー「急いでいるようでしたが何かあったのですか？」
スノウ「そうじゃ、賢者とルチルは何かされとらんか？」
フィガロ「人格操作されてます」
ホワイト「殺さなくて正解じゃったのう」
ブラッドリー「おら、さっさと直せ」

ブラッドリーは雑にモノクロームを地面に投げる。

モノクローム「……」
ブラッドリー「変なことしようとするなよ。すぐ頭に穴が空くぜ」
モノクローム「ミチルは何処だ。」
フィガロ「教えるわけないだろ。はやく魔法解いてくれるかな？」

モノクロームは無言を貫きルチルを見てる。

ミスラ「『アルシム』」

次の瞬間モノクロームから苦痛な悲鳴が街に響く。
ある魔法使いは目を見開き、ある魔法使いは目を隠し、ある魔法は呆れていた。

モノクロームの両目は血しぶきと共に潰れ、消えていた。

カイン「！なにやってるんだ！！」
ミスラ「何って…ずっとルチルを見てるからまた何かされては困るので」
オーエン「あはは、綺麗に潰れたね。僕も何か潰したいなぁ」
カイン「やめろ！」

モノクロームに近づいたオーエンの行く手を阻むようにカインが間に入る。

オーエン「なに、騎士様」
カイン「これ以上傷つける必要はないだろ。両腕もないし罰はもう受けてる」
ミスラ「あぁ、そう。両腕」
フィガロ「両腕？」
シャイロック「モノクロームの魔法は手を向けた者を人格操作するらしいのです。その両腕がその場から消えていてこっちに来てないか急いで来ました」
ファウスト「……此処には来てないが」

みんな嫌な予感がした。
なんでないのだろう。
そもそも、両腕が消えたことに誰も気づかないものなのだろうか。
ミチルの元へ向かった？いや、でも向かったとしたら此処に連れてこられて全体を見渡しミチルは何処だと言ってる時点でミチルの所へ腕は行ってないだろう。

フィガロ「！まさか！！」

フィガロが気づいた瞬間に自分が抱えている賢者が何かに引っ張られるように重たくなる。
レノックスも同様にルチルを抱える力が強くなる。