魔法使いの約束(その後)2 (ページ16)

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フィガロ「モノクロームはチレッタが好きだったからね。そこから拗れていったんだろう」
ムル「モノクローム…」
クロエ「どうしたの？ムル」
ムル「なんか聞いた事あるんだよなー。強さとかチレッタ関係以外で」
シャイロック「思い出せますか？」
ムル「うーん、わかんない！」
リケ「すみません」

リケがすっと手を上げる。

リケ「とても大切な話をしてるのも分かりますし友達のお母さんを利用していることもとてもなんて非道なのか分かってます。ですが今日はとりあえず休みませんか？」
カイン「確かにそうだな、みんな疲れて今は気持ちが高ぶってるがすぐに疲れになって襲ってくる。今後の作戦会議の為にも今は休むべきだ」
ネロ「一晩寝れば冷静になれるだろうしな」
ミチル、ミスラ「……」
ルチル「今日は沢山怖い思いをしたね。でも、絶対力になるよ」

ルチルは優しくミチルの頭を撫でる。

ミチル「…はい」
ミスラ「じゃあ俺は先休みますね。賢者様」
晶「はい？」
ミスラ「あなたの一晩今日使います。俺にください」
晶「わかりました」
フィガロ「それじゃ皆解散。明日、いやもう今日か。なら昼過ぎに此処へまた集合しよう」

みんな部屋へ戻っていく。
私もミスラに着いて行きミスラの部屋へと向かいミスラはベッドに横たわり私は座る。

ミスラ「賢者様」
晶「はい」
ミスラ「俺、なんか分からないですけど変な気持ちなんです。これなんだか分かります？」
晶「うーん…。怒りとか悲しみとかじゃないですか？」
ミスラ「なんか他にもある気がします」

なんだろう。
私がもしミスラの立場だったらと考える。
自分の幼少期からの知り合いで大切な人が利用されている。悪い人に。
そりゃ腹たつに決まってるし悲しくもなるだろうけど違うって言われると…。
もっと見方を変えよう。

晶「…嬉しいじゃないかな？」
ミスラ「……嬉しい？今この状況で？」
晶「ごめん、私はミスラじゃないから真意は分からない。でも、私だったら命の恩人で大切だった人が突然死んでしまったら心に穴が空くと思うの」
ミスラ「確かに、まだ信じられませんから。チレッタが死んだことに」
晶「だからこの世にチレッタの形がある事が嬉しいんじゃないかなって。またチレッタに会えるから」
ミスラ「……ふぅん」
晶「魔法使いは自分の媒介を残さない分形見も少なそうですしきっと嬉しいんだよ」
ミスラ「そうなんです……か……」

ミスラがゆっくりと目を瞑る。
私は窓から外を見る。
あぁ綺麗な満月だ。