魔法使いの約束(その後)2 (ページ12)

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晶「それ苦手って言って選択肢あったりする？」
ミスラ「ないですね」
晶「どうするつもりなの……？」
ミスラ「えーと。説明お願いします」
アーサー「まず、シャイロックに近づくにはこの煙をどうにかしなければなりません。その為に水を使います。水で煙を消すと同時にミスラと賢者様、そしてムルは水の中に入りシャイロックがまた魔法を使えないよう水の中でシャイロックに触れてもらいます」
晶「なるほど」
ネロ「タイムリミットは賢者さんとシャイロックの息が切れるまでだな」
リケ「はい、それにシャイロックがもし隠れていたら探すのがもっと大変です」
ムル「シャイロックの居場所はもう分かってるよ」
リケ「え？」
ムル「簡単さ！でも、やっぱりどう考えても賢者様の息が続くかが心配！」
ネロ「ならそこは俺がサポートするよ」
アーサー「ネロが？」
ムル「いいね！」
ミスラ「そろそろいいですか？賢者様が邪魔になってきたんで……」
晶「すみません！！」
アーサー「では作戦開始！」

ミスラが私を抱えてない手を前に出す。

ミスラ「『アルシム』」

ミスラが呪文を唱えるとその手から大量の水が放出される。
一瞬で水がミスラの目の前から先の廊下、そして部屋まで水が天井まで溜まる。

ムル「『エアニュー・ランブル』！」

ムルが箒に乗って水の中に突っ込む。
ミスラは私を抱え普通に水の中に入っていく。

ネロ(なるほどな。水でも魔法の効果が消えてるとは限らねぇからまずムルが先に行き安全確認ってわけか)

晶(これは酷いな……)

水の中の建物はどろどろに溶けていた。
進むにつれどんどん酷くなっていく。

晶(これが酷くなればなるほど中心だと思うからそこを狙ってるのか)

先に行っていたムルが帰ってきて行った方に指を指した。
ミスラは私をムルに渡す。
ムルは私を抱え来た道を引き返す。

晶(……息がっ)

息の限界が近い。
私はムルを見遣るとそれに気づいたムルが私に口パクでこう伝えた気がした。

ムル「死にそう？」

首をゆっくり縦に振る。
ムルは私の反応をみてにっこり笑った。
無邪気な笑顔だった。

晶(あれ、もしかして受け取った意味違っ)

遠くに浮いたシャイロックを見つける。
遠かったシャイロックはムルが猛スピードで近寄るためあっという間に目の前だった。

晶(シャイロック……！)

私はシャイロックに触り、ムルは私の手を離しシャイロックのほっぺを両手で掴む。

ムル「にゃー！」