愛されたもの達よ (ページ43)

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バラドール)ぼく、向原さんを尊敬してるんですよ

えへへと照れるように彼は恥ずかしそうに微笑んだ。

バラドール)ぼくの地雷を踏まれたというか……。片足無くなった時でさえ酷く悲しんだのに死にそうだったから……
命)でも、助けはしなかった
バラドール)レアマナは使いたくないのでえ。だから精霊が見えるようになった時、レアマナが出てこないように呪いを増やしていました。おかげでぐっすり眠ってしまいましたけど
命)レアマナを出してまで助けようという気持ちはなかったのかね
バラドール)はい

目の前の医者は即答した。

バラドール)だって他人ですし。ぼくもあの場では大人しく死んでましたね
命)そこまでレアマナだと言うことを隠したいか
バラドール)あなたには分かりませんよお、ぼくの気持ちなんて
命)あぁ。分からない。幾ら予測、想像、計算することはできてもその感情の正しきは君しかしらない
バラドール)ぼく、オウカに関わりを持ちたかったんですよねえ。そうしたらぼくは先生になった。最初は浮かれてたんです。でも、段々と読みといていく内にぼくは怖かった。だってぼくをあの時あの場に連れてきたのは命さんだったんだから

目の前の紳士は帽子を深く被り、鋭い目をこちらに向けて微笑む。

バラドール)今回、どこまで予測できてたんですか？
命)……喜海殿の出現と鬽佳和が致命傷になること以外は全てワイの想定範囲内だった
バラドール)はは、入神も人間ですねえ。大丈夫ですよ。アラレさんは勝手な決めつけですけど歴代最強治療班長官だと思ってるので
命)間違いない

この世はどれだけ隠そうと消そうとしても必ず証拠が残る。ぼくは前に言った、｢それが出来るのはレアマナだけだよ｣と。これはぼくが確実に胸を張って言える。だって……。

『消失』のレアマナであるぼくが言うんだから。

今回は色々不都合があるのであの双子に関しての記憶は消さないけれど絶対にあの双子の行方は誰にも分からない。なにせあの双子の体はこの世から落ちた髪の毛、切った髪の毛でさえ存在しないのだから。

バラドール】罪な男よねぇ

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その後のこと。
俺は例の如く争いに関与することは無かった。マナ達が俺と関わりたくない能力が動き、俺はいつも戦いでは蚊帳の外だ。
俺は目覚めた後に何があったのを聞きその後どうなったのかを知る。