3 ページ17
そしてその演奏の合間に舞子姿の那音が現れる。
観客は一気にざわめき始めた。なにせ、あの花の街で名をとどろかせている響がこんな場所で踊っているのだから。
男性)よっ!皇屋!
花の街に行ったことがない人でも響の名前は皆知っている。それほど知名度も人気も高い舞子なのだ。
奏弥)よし…頑張れ
舞台の照明が落ちる。勿論ハプニングではなくプランニング通りだ。一瞬の暗転の後舞台に立っているのは舞子姿の響ではなく、先程と真逆な賊に扮した響がそこには立っていた。
踊りも先程までの優雅なものではなく荒々しいものに変わり観客の注目を浴びた。
そして、舞は終了する。
那音)……(あぁ、私が提案したことだけどやっぱりやらない方が良かったかな。空気を冷たくしてる感覚がする。怖い…)
そう思っていると観客は私が聞いた事のないくらいの歓声と拍手を私に向けた。
男性)よかったぞ!
女性)皇屋はさすがねぇ!まさか花形の響を男として出すなんて!
男性)それも途中変化だぞ!素晴らしい!
子ども)綺麗でカッコよかった!
女性)よっ!!皇屋!!!
あぁ、嬉しい。
アラン)よかったね、響
那音)…うんっ……!
私は涙を流してしまう前に堂々と舞台から降りた。
それに続いてアランも降りてくる。
ハンナ)よかったですよ!
那音)ハンナと先輩の小道具と衣装のお陰だよ。それにアランの演奏はやっぱり凄かった
アラン)ありがとう。那音も素晴らしかったよ。思わずバイオリンを出してしまいそうな程に
奏弥)皆お疲れ様。前座の掴みバッチリだよ!
1年生)ありがとうございます!
その後は景品ありのビンゴや皆で合奏だったりいろんなことをした。
屋台も順調に商品が売れ、どんどん祭りの参加者が増えてくる。
男性)オウカの子達は皆いい子なんだなー
女性)鬼頭家を荒らしたと聞いた時は焦ったけど鬼頭御姉弟と命様がいらっしゃるんですもの。悪い人たちじゃないんだわ
向原)……
まぁ、あいつらのことだし名誉挽回は容易いものだと分かってた。
普通なら合格をやるべきなんだろうがそれじゃあ面白くねぇ。
サールス)また、悪巧みですか?
脳内に語りかけてくるような低く、落ち着いた声でサールスさんは近づいてきた。
向原)人聞きが悪いなぁ。嫌がらせだぁ
サールス)可哀想に。なにをするので?
向原)考え中
サールス)そんなにして落としたいですか?
向原)まぁなぁ。なんなら来年新入生入れなくてもいいんじゃねぇかと思ってる
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:荒城の月 | 作成日時:2022年11月29日 20時