恩返し作戦1(南の魔法使い) ページ7
むかしむかしあるところにお菊と言われる娘がおりました。
その娘はお家に仕えており主人が大切にしていたお皿を割ってしまいました。
それから酷い叱責を受け、耐えられなくなったお菊は敷地内にある井戸に身投げをしました。
それからその井戸からは「いちまい、にまい、さんまい……」と数える声が聞こえ……きゅうまいまで数えると……
晶「いちまい足りなぁあい!!!」
ミチル、ルチル「うわぁあ!!」
私は部屋の電気を付ける。
ミチル「び、びっくりしたぁ……」
ルチル「もう、賢者様。急に大きな声出さないでください……!」
晶「あははごめんごめん」
今日の昼私の部屋に集まって怪談話をしようという話をミチル、ルチルとした。
ミチルがレノックスも連れてきてくれたのだが彼は全く無反応である。
晶「レノックスはやっぱり怖くないか〜」
レノックス「はい……まぁ」
ルチル「流石レノさんですね」
レノックス「よくそういう話聞きますから」
ミチル「それはそれで怖いですね」
晶「さっき話した皿屋敷と言う話に登場した井戸は実際にあるんだよ。お菊の神社もある」
ミチル「神社?」
晶「神殿みたいなものかな」
ミチル「凄いです!」
もう夜も遅いしあまりミチルを夜更かしに付き合わせるのも悪いなと思ったのでそろそろお開きにしようと思ったその時……
【いちま〜い……にま〜い……さんま〜い……】
晶「え、……?」
ミチル「け、けけけ賢者様……。」
ルチル「ま、まさか……?」
レノックス「見てきます」
そう言ってレノックスは立ち上がったが私達はレノックスの腕を掴み全力で首を振った。
その日は1人で寝るのが怖かったので4人仲良く一緒に夜を過ごした。
もちろん、誰も寝られなかった。
フィガロ「へぇ〜皿を数える声ねぇ」
翌朝、昨晩起こったことをフィガロに話す。
フィガロ「それでみんな賢者様の部屋でお泊まりしたんだ。いいな〜フィガロ先生も呼んでくれたらよかったのに」
ミチル「フィガロ先生昨晩部屋にいなかったじゃないですか。誘いに行ったのに」
フィガロ「あ〜、多分その時ファウストとお話したくて部屋に行ってたかな。勿論入れて貰えなかったけど」
ルチル「本当に怖かったぁ…」
フィガロ「レノも声を聞いたの?」
レノックス「はい、聞きました。魔法舎の誰かだとは思うのですが……」
フィガロ「が?」
レノックス「聞いた事ない声でした」
フィガロ「ふむ……」
フィガロは考える。
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作者名:荒城の月 | 作成日時:2021年2月17日 19時