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オズ「気にする事はない。先に奪ったのは向こうだ。リケはただ返してもらったに過ぎない」
カイン「そうそう、それにブレスレットって重たいし頑丈だから何かの拍子で卵にぶつかったら卵が割れてしまう」
リケ「そうですね……」
アーサー「代わりになるものを巣の中に置いておくのはどうだ?」
カイン「いいな、その考え」
晶「私の世界ではビー玉をよくカラスが持ってる話が多かったよ」
カイン「ビー玉か」
オズ『ヴォクス……』
リケ「待ってください。僕がつくりたいです」
オズ「……わかった」
リケは呪文を唱えビー玉を作る。
その形は少し歪んでいるが綺麗に出来ている。
再び箒に乗るとリケはビー玉を巣の中に入れる。
リケ「元気に育ちますように」
リケは祈っている。
それをみた私達も同じように祈る。
リケ「みなさんありがとうございました」
カイン「これで万事解決だな」
アーサー「あぁ」
オズ「中へ入ろう。夜に子どもが出歩くものじゃない」
アーサー、カイン、リケ「はい」
私はやっぱ結局ダメだったなぁと頭をかいていた。
でも、何かをやって出来なかったということが嬉しい。
前はやる前から出来ない、ダメ、するなと言われていたので落ちてしまったが木登りが出来たこと、夜に外にいた事、そして何かを誰かと一緒に探すこと。
これらはとてもいい経験だった。
晶「木登り上手くなりたいな」
リケ「僕も木登りがしてみたいです」
カイン「俺も久々にしてみたいな」
アーサー「……」
皆でオズを見る。
オズ「……。もう夜だ。足元がよく見えない状況でやるのは危ない。また明日の朝ここに来よう」
私達は喜んだ。
今日はもう寝て明日になるのが待ち遠しかった。
次の日
晶「よーし!木登り!!」
リケ「楽しみです!」
カイン「俺乗っても大丈夫かな」
アーサー「オズ様がなんとかしてくださるさ」
オズ「……あぁ」
私達は昨日の木で木登りを始める。
アーサーは最初参加していなかったがうずうずしているのをオズは見て「行ってこい」と告げるとアーサーは嬉しそうに木登りに参加した。
途中で何回か落ちたがその度にオズが助けてくれた。
あまりにも落ちるので木の周りに魔法でネットを作ってもらった。
なんかこうして友達と外で遊ぶと言うのが新鮮で嬉しかった。
リケ「とても楽しいです!」
リケも聞く限りだとあまり外に出たことがない。
彼もとても新鮮なのだろう。
私は皆と夕暮れ時まで木登りを楽しんだ。
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作者名:荒城の月 | 作成日時:2021年2月17日 19時