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晶「生まれ変わってしまえばこんな苦しみから解放されるのにどうして嫌なの?どうして苦しみ続けるの?」
【……】
晶「せっかく死ねたんだからさ喜んだらいいのに」
私は嫌味ではなく素直に提案をする。
そう、真っ直ぐに相手に本気で提案している。
晶「死にたくても死ねない人の気持ち考えたことある?」
私は服を捲りお腹を見せる。
【!酷い……】
晶「もう消えないって言われた。……それと私は子どもが産めない」
【……】
晶「神様はこんなになってでも私を殺してくれなかった。ねぇ、どうしてそんなに世界に執着できるの?ねぇ、どうしてそんなに人を愛せてたの?ねぇ、どうしてそんなに人を恨むことができるの?私に教えて」
きっと周りから見れば私の方が敵だろう。
魔女もあんなに敵意をむき出しにしてたのにいつの間にか私への同情へと変わっていた。
元々優しい魔女だったんだろうな。
優しくなければ仲間や自分の為に命を賭けるなんてしないだろうから。
私はお腹をしまう。
晶「でもね、私……此処に来て何か変われる気がしてるの。ずっーと閉じ込められて蹲っていた何かが立ち上がって泣きながら変わりたいって壁を叩いてる気がするの。この気持ちに気づく度なんだか怖くなってきて私も泣いてしまう。いいのかな、このまま壁を壊しても。この壁は私を外から守る為の壁だったかも知れないのに壊していいのかな、人を信じても、変わってもいいのかなって」
私は真っ直ぐ彼女を見つめる。
晶「だからお願い。これ以上私のせいで皆を追い詰めたくない。これ以上私の壁を分厚くしないで」
魔女は黙って私を見ていた。
【……】
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クロエとオズはラスティカの部屋の前で浄化していた。
するとラスティカの部屋の中から何かが割れる音が聞こえる。
クロエ「ラスティカ!?ラスティカ!大丈夫!?!?」
オズ「下がれ」
オズがドアを開ける。
部屋の中ではラスティカがティーカップの置かれた棚に持たれかかって苦しんでる。
割れたのはティーカップみたいだった。
クロエ「ラスティカ、大丈夫!?」
ラスティカ「……っ……はぁ……」
返事もまともに出来そうにない。
オズ「離れろクロエ」
クロエ「でも!」
オズ「離れろ!」
オズはクロエの腕を引っ張りラスティカから離れる
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【ごめんね、私。もう止まれない】
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作者名:荒城の月 | 作成日時:2021年2月17日 19時