魔法使いの約束(その後) (ページ38)

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晶「誰か助けっ」

助けを求めようと声を出そうとしたが途中で口を塞がれる。
男達は聞き慣れない言葉を話すと傍らに箒が現れた。

晶(！魔法使い！？)

地面ならまだしも空に飛ばれたら逃げようが無い。
暴れて手が離れても落下してあるのは死……

晶(誰か……！助けて！)

さっきの露店の方を見てみる。
露店の老人はいつの間にか店ごと消えていた。

晶(もしかして、あの店主も魔法使いだったんじゃ……)

今はそんなこと考えてる場合じゃない。
男が私を担いで箒で飛び立とうとした瞬間……。

ラスティカ「おや？賢者様。今から何処かに行かれるので？」

ラスティカが居た。
いつの間にこんな近くに居たんだろう。
ちょっとびっくりしたけど神様に感謝した。

男1「！まずい、はやくずらかるぞ！」
男2「あぁ！」
フィガロ「ずらかる？何処かに行けるとでも思ってるのかな？」

空中にはフィガロが箒に乗って男達を見下していた。

男1「フィ……ガロ、様」
フィガロ「今すぐその子を離して貰える？俺を様って付けて呼ぶし名前知ってるなら離さなければどうなるか分かるよな？」

男達はどうするか考えていた。
地上には自分より歳上であろう紳士とあのフィガロが空中で自分達を見てる。
逃げ場がないと確信し、男の手から私は離れた。
ラスティカが私に近づいて背中に手を回して腕に体重がかけれるようにしてくれた。

ラスティカ「賢者様、大丈夫ですか？」
フィガロ「お前ら2人、そこを動くなよ。賢者様大丈夫？怪我はない？」

私はラスティカに飛びつきながら強く抱きしめる。

ラスティカ「おっと、あはは！賢者様は大胆ですね！なら僕も」

ラスティカが痛く無い程度に強く私を抱き締め返してくれた。

晶「ぅ……うぅ……」
ラスティカ「……」

ラスティカは優しく私の頭を撫でてくれた。

ラスティカ「もう大丈夫ですよ」
晶「うぅ……ぁぁ……ぁぁ！うぁぁ……ん！」

私は緊張が解けた事とラスティカの優しさに号泣してしまった。

フィガロ「……さてと。この子が賢者だと言うこと知らないわけでもないだろう？何故拐おうとした？あのオズが味方だと言うことも知ってるはずだ」
男1、2「……」

フィガロは困り眉で告げる。

フィガロ「上の奴に言っててくれ。"次はない"と。どうせ居るんだろう？君たちを束ねる親玉が」
男1「……」
フィガロ「消えろ」

男1と男2は箒に乗って何処かへ飛んで行った。