世界に絶望を、そして感謝を ページ37
合同練習2日目の早朝。
魔法使い達は会議をしていたりご飯を食べていたりまだ起きてない者もいたりと様々だった。
晶「あ……」
私は時間がある時に出来事を賢者の書に纏めているのだがペンのインクが無くなってしまった。
晶(んー、今から行ってお店開いてるかな……。今後も使う物だし誰かに借りるのも申し訳ないな)
私は肌寒いので上着を羽織った。
起きてる人に連れて行ってもらえば早かっただろうが朝から労働したくない気持ちはよく分かるので自分の足で街へと向かった。
街に着くと案の定朝が早いためお店は何処も開いてなかった。
晶「やっぱ開いてるわけないか……」
帰ろうとした時ふと目に止まった露店があった。
そこにはご老人が座っていて店主なのだろう、こちらを見て様子を伺っていた。
私は目線に耐えられずその露店を覗いてみる。
老人「いらっしゃい。何かお探しかい。こんな朝早くに」
晶「ペンを探してまして……」
老人「ならこれはどうだい?」
そういって店主が出したペンは見たことがないくらいなガラスペンだった。
7色に光る……いや、光ってはないのだがガラスの色と光が当たることでまるで輝いている、夜中を照らしてくれるような安心感をもたらすようなペンだった。
晶「わぁ……、綺麗……」
老人「どうだい?」
晶「あ、でも私はインクを探しに来ててペンが欲しいわけじゃないんです」
老人「でも綺麗だろう?」
晶「はい、とっても」
老人「そのペン買うならインク無料で付けるけどどうだ?」
晶「え?」
老人「インクだけ買うかそのペン買ってインクも貰うか。どうする?」
私は速攻で
晶「買います!」
老人「まいどあり」
やはりこれほど綺麗なガラスペンなのでちょっと高かったけど、インクも着いてきてこんなに綺麗なペンが手に入ったのだから損した気分にはならない。
足取りが軽くなり魔法舎へ帰ろうとした
男1「お姉ちゃん可愛いね、こんな朝早くからどうしたの」
男2「俺たちとさぁ遊ばない?1日かけて」
嘘。ナンパってこんな朝早くからあるもんなの?
この人達暇なのかな?
晶「あ、……いえ、暇じゃないので…。」
男1「なになに?用事?」
晶「はい……」
男2「いいじゃーん、遊ぼうよ」
こういう時ってどうすればいいんだろう。
困っていると男の1人が私の腕を掴んできた。
晶「ちょっ!離して!痛っ!!」
その手はナンパに誘うような力じゃない。
ナンパされ慣れてない私でも分かる。
その力は確実に連れ去ろうとする力だった。
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作者名:荒城の月 | 作成日時:2021年2月17日 19時