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カイン「俺は……俺はっ…………」
オーエン「……調子狂うなぁ。それでも…………」
突如オーエンの動きが止まる。
そしてまるで別人になったかのように表情が明るく、柔らかく、人懐っこい笑みを浮かべる。
オーエン「騎士様だ」
彼の厄災の傷であるオーエンに変わったのだ。
オーエン「みんな何をしてるの……？ここは何処？」
ヒースクリフ「傷オーエン……」
シノ「皆で鬼ごっこをしてた。ここは魔法舎の近くの森だ」
オーエン「鬼ごっこ？楽しそう」
シノ「あぁ、とりあえず魔法舎へ戻ろう。逃げる側は檻の中からスタートする」
オーエン「檻……。暗くてじめじめしてる……？」
ヒースクリフ「うーん、外に置いてあるしまだお昼だから明るいかな……？じめじめもしてないと思う」
オーエン「わかった！鬼ごっこする！」
シノ「よし、行こう」
シノがオーエンに手を伸ばす。
オーエンはその手を掴もうとしたがカインがシノとオーエンの間に割り込む。
オーエン「騎士様？」
カイン「卑怯だぞ……。傷を利用するなんて」
シノ「俺たちの役目は牢に入れることだ。主君の勝利の為に俺は全力で勝ちに行く」
ヒースクリフ「シノ……」
カイン「俺は騎士だ。困っている人がいれば絶対に守る」
オーエン「……」
シノ「今なら勝てる。捕まえるぞヒース」
ヒースクリフ「あぁ！」
カイン「させるか……！」
オーエン「騎士様」
カイン「危ないから隠れてろ！」
オーエン「誰に言ってるの。『クーレ・メミニ』」
シノ、ヒースクリフ「！」
突如放たれた攻撃をシノとヒースクリフは避ける。
カイン「オーエン……。戻ったのか」
オーエン「はっ、恐怖で心臓潰れそうなのに僕を守るだって？本当に馬鹿だよね」
カイン「守れるなら馬鹿でもいいさ」
オーエン「……お前のそういうところ嫌いだよ。カイン」
カイン「誰も好きになれなんて言ってないだろ」
オーエン「いちいち突っ込んでくるなよ。うるさいな」
シノ「行くぞヒース」
ヒースクリフ「任せて」
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ミスラ「面倒ですね……！」
こちらも森の中、ミスラはレノックスと体術で格闘していた。
ミスラは魔法を使おうとするがミチルがミスラとレノックスが離れそうになる度魔法を放ってくる。
ミスラはミチルを傷つける訳にはいかない為反撃ができない。
なによりレノックスの拳はミスラが呪文を唱える隙を与えないのである。
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作者名：荒城の月 | 作成日時：2021年2月17日 19時
