ネット恋愛

46 Side：海 ページ46

「あーあ。A行っちゃった。」

「匠海……お前、Aちゃんと……」

「……まぁ、それは今はいいじゃん？」

これは……触れちゃいけないやつなのか？匠海の顔も、心なしか少し暗い。いったい、何があったんだ？

「それより、せっかく来たんだから話そうよ？」

「あ、あぁ。」

とりあえず、俺たちは仕事の話、メンバーの話をした。そのうちに、匠海の表情も元に戻っていて、さっきあった事が嘘みたいだ。いや、案外、嘘だったり……

『おい！！』

後ろから呼ぶ声がする。俺はちょうど背中を向けてて分かんないけど、匠海の顔はまた暗くなっている。

「あれ、君……」

そこにいたのは、Aちゃんと一緒にいた男の子だった。

「……久しぶりだな、康太。」

匠海……この子とも知り合いなのか？

「なんで今なんだよ！！」

「康太、俺……」

「お前の話なんか聞きたくねぇよ！！」

「……そうか。」

この２人……なんか、ただならないことあっただろ……

「えっと……２人は知り合いなの？」

「『あぁ／うん。』」

「そうなんだ……じゃあ、さっき、Aちゃんが走っていったのって……」

「そいつのせい。」

やっぱり……

「ひどいな。そんなこと言うなんて。」

「事実だろ？」

「まぁ、それは……」

無理やり笑っているが、その真意は分からない。とにかく、匠海とAちゃんに何かあったのは確実。でも、何があったんだろう……

「全部……お前のせいなんだからな……匠海。」

「……なぁ、俺さ……やり直したいと思ってるんだ。」

「やり直したいって……まさかAとか！？」

「うん。」

「お前……んなこと言う資格あると思ってんのかよ？それともあれか？冗談言って、困らせようとしてんのか？」

「そんなんじゃない。ただ……今でも思うんだ。Aと上手くいく方法はあったんじゃないかって……」

「……」

えーっと、つまり……Aちゃんは匠海の元カノ……ってこと！？

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