ネット恋愛

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それから、撮影が終わるまで、何をするということもなく、ボーッとしていた。

「よくよく考えたら、私って趣味悪いな……」

自分のこと好きな人から、自分に対する気持を聞き出そうとしてるんだもん。なかなかだよね。

「趣味悪い、って何のこと？」

「え……か、海さん！？」

うそ、撮影終わってたんだ。気づかなかった……

「……やっとだ。」

「え？」

「やっと、俺のこと名前で呼んでくれた。」

あ、そっか。今まで、本人に向かって名前で呼んだことなかったのか。

「名前、知られてないのかと思ってたんだよね。」

「さすがに知ってますよ、海さん。」

「よかった……Aちゃん。」

「え！？」

「え？あ、ごめん。もしかして、間違えちゃった？」

「いえ……合って、ます。」

なんだよ……静まれ、気持ち……っ

「あれ？お友達は？」

「あ……デートに行きました。」

「まさか……１人で待ってたの？」

「はい。」

「っ……危ないでしょ！！女の子１人でとか……動物園にはいろんな人がいるんだから、もしかしたらってこともあるし！！」

「え、あ、はい。」

「いい？これからは１人はダメだよ。東京は危ない人だっていっぱいいるんだから。」

「なんで……そんなに心配してくださるんですか？」

「え……あ、えっと……その……ごめん。君とアリスさんが被って見えた。」

「え！？」

「なんか……アリスさんって、こういう人なのかなって。」

「そんなはず……ないですよ。きっと、アリスさんはもっと海さんへのあたり方とかも優しいですよ。」

「……Aちゃんも充分優しい子だよ？」

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