ネット恋愛

37 Side：海 ページ37

稜雅に連れてこられたのは、ナマケモノの飼育小屋。なんでナマケモノ？

稜「海……上手くいってないんじゃないの？」

「え……さっすがリーダー。気づいたか。」

稜「いや、こういうときだけリーダー呼びかよ。」

「てか、盗み聞きしてんなよな。」

稜「ちがっ……たまたま聞こえたんだよ。」

「ふーん、たまたまね……」

稜「っ……それよりも、大丈夫か？」

「……大丈夫だよ。確かに、何も前に進めてないけど、後ろに戻ってもいない。ただの、ネットの友達のままだよ。」

あの後、再び恋心を伝えることなんて出来るはずがない。恋が出来ないって言ったときの彼女の表情は、見ていなくても分かる。いや、顔わかんないからそもそもって感じなんだけど。 でも、きっと……

稜「お前はそのままでいいの？」

「いいも何も……これより先なんて何も望んじゃいけないんだよ。このまま、今まで通りでいい。」

サイトを開かなくなれば、そこで俺たちの関係は終わってしまう。俺たちを繋ぎとめるものなんて、あっという間に消えてしまうかもしれないんだ。

稜「……なんかあったら言って。これでも、リーダーだから。」

「稜雅、リーダー気に入ったの？」

稜「うん、なかなか言われないから(^O^)」

祐「あっ、海たちここにいた！！」

「祐基、どうかしたのか？」

めっちゃ走ってきたけど……

祐「この前の女の子たちに会ったんだ！！ほら、秋田の！！」

あぁ……あの子たち……

稜「海、行こう。また、あの子に厳しいこと言ってもらいなよ。」

いや、自ら厳しいの受けに行くとかドMかよ！！まぁ……あのとき、彼女に助けられたのも事実だし。今回も、彼女に頼ってしまおうかな……

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