ネット恋愛 Another Story (ページ36)

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「仁藤……俺と２人で大丈夫？」

「大丈夫よ。むしろ、１人の方が辛い。」

「……なぁ、仁藤。さっきのって……」

『あれ、仁藤さん？』

げっ……こいつら、Aのクラスのヤツらじゃ……

『え、早瀬！？なんで２人で！？』

『２人、付き合ってんの！？』

「違う。さっきまでAもいたの。」

『あー、早瀬とAさんって幼なじみなんだっけ？』

「あ、あぁ。」

『え、じゃあさ、俺らと一緒に花火見ようよ。』

「いいけど……」

なんか、ちょっと嫌だな……なんでだろ？

「……ごめん、私、早瀬くんと２人で見たいから。」

「えっ。」

『それって……そういうこと？』

『マジか……えー、仁藤さんが……？』

いや、それ俺の気持ちだから。マジで？

「だからごめん。早瀬くん、あっち行きましょう？」

「お、おう……」

手、握られてる！？……あいつらに別れを告げると、仁藤に連れられるまま人混みを避け、歩いた。

「仁藤……俺……」

そういうことは考えられない。なんて、言おうと思ったんだけど……

「あ、違うから……さっき、言ったでしょ？いい思い出ないって。中学の時、男女８人ぐらいで花火見に来たんだけど、１週間以内にその時いた男子全員に告白された。」

「え……」

モテるとは思ってたけど、それほどなのか……

「その中に、友達の好きな人もいてね、気まずくなっちゃって。だから、花火によくない思いがあるの。」

「じゃあ、今回はなんで来たの？」

「……なんとなく。今回は大丈夫な気がしたの。」

「何それ。」

「なにそれって言われても……あ、」

大きな音と共に、空には大きな花火。そっか、始まったんだ。

「キレイだね……」

「……あぁ。」

空を見上げる仁藤の姿はやっぱりキレイで。気づいたら、俺は花火ではなく仁藤のことを見ていた。ずっと、隣で仁藤を見ていたいと思ったんだ。なんだろ、この気持ち。