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それから、桜井くんは家に帰り、なんとか親を説得したそうだ。
「紫苑、幸せそうね。」
「えー、分かっちゃう？幸せオーラでちゃってる？」
「うん。」
「いいなー、リア充。私もリア充になりたーい！！」
「なら夏希さんに告白しなよ？」
「え、春菜、夏希さんのこと好きなの！？」
「う、うん。」
そっかそっか。春菜が夏希さんをね。
「ふーん。」
「何よー！！」
「Aには分からないわよ、片想いの辛さは。あんたは高校時代からラブラブなんだから。」
「別に、ラブラブじゃないし。」
「えー？よく言うわ。大学生になった瞬間に２人で同棲したくせに。」
「え、同棲してんの！？」
「いいじゃん、私と昌暉の話は。」
「えー？」
「え……え、嘘、え！？」
「春菜どうした？」
「A……海くん、結婚するって……」
「え、何それ……どこ情報？」
「ツアー大阪。なんか、発表したらしい。」
「ウソでしょ……もう、何を希望に生きていけば……」
「いや、彼氏はどうなんだよ、彼氏は。」
「今は昌暉より海の方が何倍も大事！！えー、どうしよ。うわ、やっぱり海推しの子たちみんな撃沈してる。」
そりゃ、辛いよな。応援して支えるべきだって分かってはいるんだけどさ。
「あ、電話……え、え！？」
マジか、早く出なきゃ。
「誰から？」
「……もしもし、どうしたんですか？」
『あ、Aちゃん？今大丈夫？』
「大丈夫です。あの、電話なんてびっくりしてて。てか、そっちの方こそ大丈夫なんですか？」
『うん、俺はね……って言いたいけど、色々エゴサしてかなり複雑な気持ち。』
「そうですよね……あ、結婚おめでとうございます。」
『うん、ありがとう。』
「海推しとして、とても嬉しいです。」
「え、A、相手ってもしかして……」
「え、あ、うん。海だよ？」
『お友達も一緒だった？ごめんね、急に電話して。』
「いえ……あの、私は海が幸せになるなら、いいことだなって思います。でも……そう思わない海推しも多いと思うので……」
『うん。８号車のこと、傷つけちゃった。』
海……落ち込んでる？
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作者名：ゆいこっこ | 作成日時：2016年8月29日 8時
