秘密の〇〇～SECOND～ (ページ15)

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「A……俺、池田に会ってもいいの？」

「嫌。紫苑がまた泣いたりしたら、もう私が辛くて無理。でも……もう、許す。私なんか気にしないでいいから、紫苑に会って。」

想いあってる２人を、私が邪魔する訳にはいかない。そのとき、お店の扉が開いた。

「おかえりなさい、夏希さん。」

「ただいま……」

なんだか、暗い？……あぁ、そうか。

「上手くいかなかったんですか？」

「ごめん……直前で逃げられた。」

そっか。紫苑はまだ心の準備が出来てないんだ。でも、紫苑のことだ。あと、少ししたら、戻ってくるだろう。

「夏兄……」

「春彦……久しぶりだな。」

「……なんで、夏兄が池田やAと知り合いなんだよ？」

「なんでって……うちの大切な常連さんだから？」

「なんで疑問形なんですか(笑)」

「……Aはあの時知ってたのか？俺と夏兄が兄弟だって。」

あの時って……あぁ、食事会のときか。

「ううん。ついさっきだよ。夏希さんだって、知ってたなら教えてくれたらよかったのに。」

「ごめんごめん。だって……そんなことしたら紫苑が傷つくだろ？」

「まぁ、それはそうだね。さっきだって。」

「ちょっ……待って！！池田……俺と夏兄が兄弟だって知ってんの……？」

「うん。さっき、聞いちゃってた。」

「そっか……そう、なんだ……」

「うん。あ、夏希さん。いつもの用意してください。」

「いつものって……え？」

「もうすぐな気がするから。」

なんとなく分かる。紫苑は……もうすぐそこにいる。