ねぇ、先輩！！ (ページ4)

今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:14,753 hit

4 ページ4

翌日。今日は部活が休みだし、美術館にでも行くか。

「A、今日さ、一緒にカラオケ行かない？」

「え、嫌。」

「えー？いいじゃん。どうせ美術館にでも行くつもりでしょ？」

あ、この子は芹沢美桜。一応これでも私の親友です。

「今日ね、カラオケで美術館の入場券が無料配布されてるの。ね、いい話でしょ？」

あ、嘘だな。んなことする訳ない。

「……A、もしかして福田くんと約束とかしてた？」

なんでそこで福田くん？私が彼を苦手としてるの知ってるでしょ？

「福田くんと約束する訳ないでしょ？」

「そっかー。じゃあ、何で３年の教室にいるんだろうね？」

「は？」

美桜の視線の先には福田くんと嫌々着いて来たっぽい早坂くん。私には関係ないよな……？しばらく見ていると、福田くんと目が合ってしまった。まずい。福田くんの顔が一気に明るくなる。

「A先輩！！やっと見つけた……」

「福田くん、何の用？」

そう聞くと福田くんはなぜか赤くなる。は？何なの？

「……あの、一緒に出かけませんか？」

「私と福田くんが？」

「はいっ……昨日、父から美術館のチケット貰って。先輩好きそうだな……って。」

福田くんの手には私が行きたかった美術館のチケットが。え……行きたい。でも、福田くんと行くのか……

「嫌、ですか？」

「……分かった。そのかわり、できる限り話しかけないこと。それでいい？」

「……はいっ！！」