目立つ君と地味な僕 (ページ46)

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勢いで教室を飛び出して見たものの、ここからどうしていいか分からずに、ひたすらに走った

はぁ、入学式の日と同じや

また迷子になるかもしれへん

そう思ったら自然と足が止まって、冷静になった
いや、まだあの時の自分には驚いてるし、なんであんなに熱くなったのか分からへん

冷静になれたかもわからんけど…

でも、今日のところは帰ろう。

どうせ午後の授業にいない子。荷物も携帯も全部教室やけど、誰も何も思わへんやろ

｢おれ…ほんまに…｣

何してるんやろ…

｢大毅！！｣

さすがに正面門から帰る気にはならなくて、とぼとぼと裏口から出ていこうと思ってたとき

見たことないくらい全力で走ってきた藤井先輩

また、、また藤井先輩に助けられてる…

｢大毅、どうしたん？望と喧嘩したって。
お昼来おへんから迎えいったら、望放心してて…｣

｢ふ、藤井先輩…
小瀧くんにごめんって、しばらくほっといて、って言っておいてもらえますか｣

ろくに藤井先輩を見ることも出来ず、ただ俯いてそれだけ話す

だって今の俺、泣きそうな顔してると思う

｢おん、伝える。伝えるけど、、
俺は大毅をほっておかなくてええやんな？｣

相変わらずのイケメンで、相変わらずの優しさで、先輩に思わず涙がでそうになる

いつもこの人は適当で

読めなくて、

何してるかわからん人なのに…

なんでこんなに助けて欲しい時俺を助けてくれるんやろか

｢こっち来たってことは、帰ろうとしてたやろ？
どうせ帰るなら、俺ん家おいで。
さすがに1人の家には帰させられへんわ｣

テキパキとどこかに電話したり、近くを通った先生と話したりしてる藤井先輩に、本当に次期理事長なんやな…とか思ったり

まあ、次期理事長がこんなことに介入してええのか、判断がつかへんけど。