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戻ってきた時、詩織はもう、息をしていなかった
彼らは日の光を浴びることが少なかった
そのせいか、骨は弱かったし、
肌も真っ白、雪の様に儚い印象だった
だからこそ、少女には薬が必要だった
病を癒した彼らと、光の世界を見たいと
未だ見たことのない、美しい世界が見たいと
そう、願っていた
__________
その日一日をかけて、彼らの遺体を廃屋に運んだ
『此処なら、誰にも迷惑は掛けないだろ ........
軽いと思ってたのに ........御前ら、こんなに大きくなってたんだな ........
気づけなくて、ごめん ........
最後まで、大好きだったのに ........
もう、涙なんて出ないんだ ........』
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彼女が泣けない理由
それは、もう何度も、死を見てきたから
失うこと以外、未来は無く、
何をしても変わらなかったから
『ごめんな、ごめん、本当に ........
ごめん ........』
__________
それからはもう、仲間を作ることはなかった
幸か不幸か、手元に残った金を頼りにしようとした
が、生きる理由も見出せなくなり
終いには、金を狙ってきた残党に全て盗られてしまった
『嗚呼 ........こんなに死にたいのに ........
未だ、誰も迎えに来ない
早く迎えに来てくれ ........』
__________
それからまた一ヶ月が過ぎた
路地に入ってきたのは、黒外套を羽織り特徴的な帽子を被った初老の男
“夏目漱石”__________
散歩の定番コースが生憎工事中だったので
久々に此方に来た次第である
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「却説 ........何方に曲がるかな ........」
くいっ ........
何者かに外套を引かれた感覚がした
足元を見ると、小さな少女が外套の裾を掴んでいる
「 ...............何か用か ........?」
『其方には行かないほうがいい ........』
「何故だ ........?」
『嫌な臭いがするから』
そう呟いた
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月宮澪華 - 有川さんと紅葉さんのお茶会内容 (9月22日 19時) (レス) @page47 id: dd50640cfb (このIDを非表示/違反報告)
ルーク(プロフ) - 玉こんにゃくさん» 読んでくださってありがとうございます!!文才私も欲しいです!分けてください!(笑)これからもよろしくお願いします! (2020年11月9日 0時) (レス) id: b3ca34c5e8 (このIDを非表示/違反報告)
玉こんにゃく(プロフ) - 待って、カッコいい…!有川さんん゛大好きです!文才分けてください私に! (2020年11月9日 0時) (レス) id: d74a9424e1 (このIDを非表示/違反報告)
ルーク(プロフ) - 柊さん» え、貧血?!大丈夫ですか ...?お大事になさってくださいね ...いつもコメントありがとうございます!これからもよろしくお願いします(^^)『いつもありがとう。柊さんも体調に気をつけて、またお互い頑張ろうな』 (2019年5月21日 12時) (レス) id: 27ee46e64f (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - ううう有川さんがかっこよすぎて惚れても惚れきれないいいい!!更新ありがとうございます!待ってました!!体調には気をつけてくださいね。私は最近貧血になりました← (2019年5月21日 0時) (レス) id: 9ff44349a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルーク | 作成日時:2018年7月17日 18時