第八話 ページ10
『・・・・・。』
空が薄らと明るくなってきた頃
有川はゆっくりと部屋の扉を開けた
奥の寝室を覗くと、可愛らしい寝息をたてながら眠る太宰の姿があり、
今までは無かった温もりを感じて、微笑むのだった_______
________
朝、鼻を擽るトーストの匂いで太宰は目を覚ました
眠い目を擦りながらゆっくりと立ち上がった彼は
匂いのする方へと足を向けた
『?嗚呼、起きたのか。お早う、治。』
「・・・お、お早う・・・ございます・・・」
『何だ?寝惚けてるのか?早く顔を洗ってこい、朝食が冷めるぞ。』
有川に急かされる様にして太宰は顔を洗った
朝の水は冷たく、太宰の意識を覚醒させるには十分だった
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戻ると、丁度食事の用意が出来上がるところだった
焦んがりとしたトーストに、カリカリのベーコンと目玉焼き
野菜サラダに牛乳という美味しそうな料理の数々が並べられていた
『悪いな。今日は時間が無かったからトーストで許してくれ。
明日は、もっとちゃんとしたのを作るから。』
微笑む有川に太宰は激しく横に首を振った
『・・・・?何か他にしたいことがあるのか?』
「えっ・・・・否・・・・その・・・・///」
如何答えたら良いのか彼には判らなかった
初めてだったのだ
自分をちゃんと見てくれる人は_____
「私・・・・は・・・・・
どんな食事よりも・・・・・Aさんと・・・・
ご飯、食べたい・・・・・!」
『!』
云い終わった後、顔が熱くなるのを感じた
もし、嫌だと云われたら______
そんな考えが頭をぐるぐると回って
少し、怖かった
頭にふわりとした感触があり、頭を撫でられていることが解った
『全く、嬉しいこと云ってくれるじゃないか・・・・』
彼女は、笑っていた______
『ありがとな、治。』
そう云うと、太宰の前に小指を出した
『指切り、知ってるか?』
頷く太宰と小指を絡める
『約束だ。此れからも、一緒にご飯を食べること。』
二人で指切りをした
'
柔らかな朝のことだった
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lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (11月17日 17時) (レス) id: 7de4ffbd52 (このIDを非表示/違反報告)
ルーク(プロフ) - 麗さん» コメントありがとうございます。此方で設定していた夢主の名前を誤って掲載していました。修正致しましたのでご確認ください。ご指摘感謝いたします。また何かあればコメント等お願いします! (2021年4月2日 0時) (レス) id: b3ca34c5e8 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 28ページ 涙さんが とは誰の事でしょうか?? (2021年3月31日 0時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
ルーク(プロフ) - ぴのさん» 有川『ぴのさん、お褒め頂き光栄だ。貴方は治のことをよく判ってらっしゃるのだな ....今後作者も学んでくれることだろう。ご指摘、感謝している。これからもこの物語を見守ってくれ』 (2019年4月14日 23時) (レス) id: c44f57a01a (このIDを非表示/違反報告)
ルーク(プロフ) - ぴのさん» コメントありがとうございます!そうですよね、私も判ってるんですが何分映画特典が出る前に書いた話だったので多分推測で私っていう一人称になってるんだと思います....(あくまで私の妄想の塊ですので ...)ご指摘感謝です!今後の参考にさせていただきます。 (2019年4月14日 23時) (レス) id: c44f57a01a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルーク | 作成日時:2018年3月12日 23時