第四十二話 ページ46
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「二人とも、大事無いか?」
「あ、嗚呼 ........姐さんも、もう大丈夫なのか?」
「嗚呼 ........心配かけたな ........」
柔らかく笑みを零す紅葉に中也は安堵の息を漏らす
それも束の間
「ッ!姐さん!Aさんは ........加勢しなくていいのかよ!!」
有川のことを思い出し、声を上げる
「 ........私等は行くべきではないのじゃよ ........
怒りを覚えた彼の人を、止めることなど不可能に等しい ........
足手纏いになるだけじゃ ........」
「ッ ........Aさん ........」
彼らに残されたのは、唯帰りを待つことのみ ......
不安気な太宰に、そっとルーが寄り添う
今宵は ........満月であった ........
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辺りは、血生臭い臭いで満たされる
人間だったモノは、今では唯の肉袋と化し
赤黒い液体を滴らせる
『 ........御前だけだよ ........此処に残っているのは ........』
男は絶望を露わにし、震える
「 ........ぃ、やだ ........独りは ........いやだ ........
お前ら ........独りにしないでくれよ ........
なぁ ........」
呟き続ける彼に有川は歩み寄る
『安心しろ ........
直ぐに会えるさ ........』
月光に、赤が溶けた
彼は最後に嗤った気がした
_____________
暫くして、有川は帰ってきた
「ッ ........Aさん!」
太宰はホッとしたような笑みを浮かべて、彼女に抱き着く
然し、抱きついた後に自分がやったことが恥ずかしくなり、思わず紅くなる
ゆっくり離れようとすると、両手を掴まれた
吃驚したのも束の間、そのまま腕の中へ引き込まれた
おずおずと見上げると、有川の眼には涙が浮かんでいた
『よかった ........本当に ........
お帰り、治 ........』
初めてだった、彼女の涙を見るのは
自分のための涙だと悟ったらしい
二人で微笑みあった
尚も月は輝いていた
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lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (11月17日 17時) (レス) id: 7de4ffbd52 (このIDを非表示/違反報告)
ルーク(プロフ) - 麗さん» コメントありがとうございます。此方で設定していた夢主の名前を誤って掲載していました。修正致しましたのでご確認ください。ご指摘感謝いたします。また何かあればコメント等お願いします! (2021年4月2日 0時) (レス) id: b3ca34c5e8 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 28ページ 涙さんが とは誰の事でしょうか?? (2021年3月31日 0時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
ルーク(プロフ) - ぴのさん» 有川『ぴのさん、お褒め頂き光栄だ。貴方は治のことをよく判ってらっしゃるのだな ....今後作者も学んでくれることだろう。ご指摘、感謝している。これからもこの物語を見守ってくれ』 (2019年4月14日 23時) (レス) id: c44f57a01a (このIDを非表示/違反報告)
ルーク(プロフ) - ぴのさん» コメントありがとうございます!そうですよね、私も判ってるんですが何分映画特典が出る前に書いた話だったので多分推測で私っていう一人称になってるんだと思います....(あくまで私の妄想の塊ですので ...)ご指摘感謝です!今後の参考にさせていただきます。 (2019年4月14日 23時) (レス) id: c44f57a01a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルーク | 作成日時:2018年3月12日 23時