53 ページ7
『私は家族も仕事も住む場所も戸籍も全て失いました…私は一度存在を消されてしまったんです』
安「存在を消されたと言う事は誰かに狙われていたと言うことですか？」
『狙われていたわけでは有りませんが、どうして存在を消されたかは言えません』
狙われていないが存在を消された…
潜入捜査官、いや彼女はそんな感じはしない
『私は潜入捜査官でもどこかの組織の構成員でも有りません。でも存在を消され、戸籍がないのも事実です。だから疑われても仕方ないと思っています』
安「存在を消され、理由を話せないのはわかりました。無理に理由も聞きません」
僕がそうと彼女はホッとした顔をした
『…ありがとうございます。あの日浜辺にいたのは海が好きだから…いつも靴を脱いで足首まで海に入って考え事をするんです。あの日もそうしていました。で、気づいたら貴方達に保護されていたんです』
海に入って考え事か…
安「あの浜辺は貴方の住んでいたところから近かったんですか？」
『はい…毎日あの浜辺に通ってたんです』
安「思い出の場所なんですね」
『はい…安室さん、今度一緒にいっていただけますか？』
安「もちろんです」
そう言うと彼女は微笑んだ
『安室さん、何か聞きたい事はありますか？』
安「貴方はこれからどうしたいですか？」
『そうですね…戸籍がなければ住む場所を借りることも仕事もできませんし…』
安「住む所も仕事も心配しなくていいですよ。このままここに住んで構いませんし、仕事をしていなくてもお金の心配はいりません。貴方1人くらい養えますから」
警戒する必要がないとわかった今、彼女がここにいることのメリットは多い
家事はほとんどやってくれるし、僕に対し何も詮索しない
それに彼女がいると何故だかわからないが、僕が安心するんだ
『…迷惑でないならこれからもよろしくお願いします』
安「迷惑なんて思ってませんよ。貴方は今まで通り過ごしてくれて構いません」
『ありがとうございます…』
そう言って彼女は涙を流した
きっと不安だったんだろう
彼女は存在を消され帰る所もなく、家族もいないし働くこともできない
たった一人で抱え込んでいたんだ
安「Aさん、これからどうやって生きていくか一緒に考えましょう。戸籍だって取得方法があるはずです」
『はいっ！』
彼女は一瞬驚いた顔をしたが、笑顔で返事をしてくれた
もし戸籍取得が難しくても公安の力でなんとかしてみせる
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 195人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
やっち(プロフ) - 続きが気になります (2022年7月13日 17時) (
レス) @page34 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
カリリン - もっと、みたいです！ (2022年6月12日 20時) (レス) id: 1acacd4c07 (このIDを非表示/違反報告)
カリリン - 続きが気になります。お願いします。 (2022年6月12日 20時) (レス) @page30 id: 1acacd4c07 (このIDを非表示/違反報告)
青龍 葵(プロフ) - 更新されないんでしょうか？ (2020年8月6日 17時) (レス) id: 123a0a7152 (このIDを非表示/違反報告)
ツナ - 更新とても嬉しいです(^O^)数あるトリップ作品の中で、大好きな作品です！夢主ちゃんを全力で応援してます(^O^) (2019年4月1日 13時) (レス) id: 0d02dac736 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：YuiS_tan | 作成日時：2018年11月12日 0時
