17 ページ17
教室に入ると、透はすぐに私に気付いたみたいで本を机の中に入れた。
『ごめん。ちょっと話しちゃってて…。』
私がそう謝ると、透は柔らかく微笑む。
透「全然いいよ。下川くんと話してるの見えたし。」
『下川くんと仲いいの？』
透は昔からあまり友達がいなかった。
透「まあ、ね。そろそろ帰ろっか。」
半ば強制的に会話を終わらせた透。
不思議に思ったけど、何か事情があるのだろう。
無理やり聞き出すのも良くないし、私は何も問わないことにした。
駅まで向かっている途中、沈黙が流れる。
真織ちゃんや泉ちゃんがいるときは絶え間なく会話が続いているからなんだか新鮮だ。
透とは沈黙でも心地よいが、やはり少しの気まずさもある。
会話の種はないかと考えたが、余計に気まずくなりそうだったのでやめた。
透「あのさ、今度の土曜日どこか行かない？」
急にそう提案してきた透。
いきなりの提案にかなり驚いた。
『土曜日？予定はなかったと思うけど…』
何とか気持ちを落ち着けて答える。
これはデート？それともただの遊び？
私は内心パニックだった。
透「何したい？僕はなんでも良いけど…」
透の家は貧乏なわけではないけれど、父子家庭で透はあまりお金を使わない。
毎月のお小遣いも透の意思で受け取っていないそうだ。
『ん…。ピクニックとかは？』
小さい頃によく透の家族と一緒に行ったピクニック。
私が透ともう一度したかったことだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 310人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
万奈(プロフ) - わざわざありがとございます！こちらこそ投稿頑張ってください！！ (2022年9月19日 23時) (
レス) id: 61e3cc8be8 (このIDを非表示/違反報告)
Macaron.。(プロフ) - 万奈さん» コメントありがとうございます。苗字の件ですが、修正しました。これで、大丈夫だと思うんですが…。もし不具合があれば、教えて下さい🙏これからもよろしくお願いします。 (2022年9月19日 22時) (レス) id: e961c94952 (このIDを非表示/違反報告)
万奈(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます！質問なのですが、16話の苗字は変換出来ないのでしょうか？ (2022年9月19日 22時) (レス) @page16 id: 61e3cc8be8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Macaron.。 | 作成日時：2022年9月11日 12時
