彼女の涙 ページ17
すると、また悲しそうに表情が歪んだ
そしてその表情のまま、俯いた。長い髪が邪魔で表情が見えなかったけど、多分笑ってはなかったと思う
「・・・歌手です」
弱弱しい声でAは答えた
「歌手！？すげぇじゃねぇか！」
「ありがとうございます。・・・でも・・もう良いんです」
「・・は？良いってどういう・・・」
「もう諦めたんです。歌手になる夢は・・・だから・・」
Aはそのまま黙ってしまったが、俺はしばらくしてから話しかけた
「A」
「・・・！すみません、こんなの楽しくないですよね！さ、歩きましょう。まだ半分もあるいてませんよ」
無理に明るい声を出しているのはすぐに分かった。強がるのはAの悪い癖だ。
俺はAの言葉を遮って言った
「あそこにベンチがある」
「・・・え？」
「とりあえず、座って話を聞かせてくれ。お前の事」
「・・・・でも」
少しばかりイラッとした俺は、Aの表情を見るのに、邪魔している髪を退かした
やっぱり。そこには泣きそうな表情しているAの姿がいた
「・・・そんな表情してよ。強がるんじゃねぇよ」
ちょっと強く、低い声で言うと、Aの肩がビクッと跳ねた
「・・・昨日言ったろ？たまには甘えてほしいって。俺はお前に甘えてほしいんだよ。・・それとも、俺じゃ頼りにならねぇか？」
「ちがっ・・・違います！」
やっと真っ直ぐに俺を見つめてくれた。泣きそうな表情は変わらないが、俺をしっかり見つめてくれてる。ここまで真剣なAは初めて見た気がする
「・・・・なぁ。お前が背負ってるもん、俺にも背負らせてくれ」
俺がそう言うと、Aは急に涙を流した。涙腺がぶっ壊れたみてぇに、ぼろぼろと涙を流した
女の扱いなんて知らねぇし、何か俺が悪いみたいじゃんか
「え！？わ、悪ぃ！泣かせるつもりは・・・！」
だから慌てて謝ったんだけど
「ううっ・・・うわああぁぁーーーんっっ！！！！！」
いきなり大声で泣き出した上に、俺に抱き着いてきたんだ
「おわっ！？ちょ、A！？」
「うわああぁぁん・・・！サイタマさぁぁん・・・！」
いつも優しくて、おとなしくて、もしかしたら俺よりも大人じゃねぇかって思ったこともあったけど、こうも子供みたいに大泣きする姿は、子供っぽさを感じられた
初めて見るAの姿に、俺の心臓が高鳴った気がしたが、俺は聞こえないふりをした
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まゆげ(プロフ) - 泣きました 神作、ありがとうございました！ (2019年1月5日 10時) (
レス) id: fb6039e9a3 (このIDを非表示/違反報告)
ユユ - はい。締め切りを過ぎましたが、投票は無かったので、書くのをやめにします。ありがとうございます (2017年9月1日 18時) (レス) id: 32b72de754 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず - すみません。間違えました (2017年8月22日 20時) (レス) id: 6e3a1ab132 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず - お疲れ様です (2017年8月22日 20時) (レス) id: 6e3a1ab132 (このIDを非表示/違反報告)
ユユ(プロフ) - ようやく終わらせました。この駄作のあとがきを見てくださった方々、ご投票の方をお願いします。 (2017年8月15日 19時) (レス) id: 32b72de754 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユユ | 作成日時：2016年12月5日 23時
