この手の隙間からこぼれ落ちないように【刀剣乱舞/だきしめて】 (ページ7)

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五虎退ページ7

「、あ、あるじさま。」

私の背後からそうっと話しかけてきたのは五虎退。

どうしたの？と問えば、

「えと、あるじさまの姿が見えたので……思わず声をかけちゃいました」

なにそれかわいい。

なにかする？と話しかければ
「あ、あるじさまのお顔が見れただけで十分です。」
と返ってくる。ふわりと笑いながら。

「あ、でも。ぼ、ぼくのこと、撫でてくれたら、嬉しいです……。」

いくらでもなでなでするよ！！！かわいいね！

五虎退のふわふわの髪の毛に触れて、優しく撫でる。五虎退は、嬉しそうに目を細めてそれを受け止めていた。

すると突然、きゅっと私の手を掴んで、自身の頬へ寄せた。

「あるじさま。また、こうやって、僕のこと、撫でてくださいますか？」

こてりと頭を傾けて、言う。五虎退の金の瞳が爛々と光っている。不思議な雰囲気に飲まれ、思わず頷く。

「えへ、やったあ。嬉しいです。」

頬を桜色にして、まだ握ったままの私の手と、五虎退の手を絡ませて言う。

「約束ですよ、あるじさま。」

花が綻ぶように笑った五虎退のかわいらしい顔に、なぜだか恐怖を覚えた。

ころころと可愛らしく笑う五虎退は、呟いた。

「この先、ずーっとずーっと、僕たちと一緒が、いいですよね。百年先も、二百年先も。何年経っても僕たちのあるじさまでいてくださいね」

この本丸の主には聞こえなかったようだ。何か言った？と聞き返すと、

「い、いえ、なんでもありません、あるじさま。」

といつもの調子で返して、抱きついた。

主の、自分より大きな体を包むようにぎゅうと腕を回して。