包丁藤四郎 ページ6
「じゃあ主、ぎゅーってしてよ、人妻みたいに!」
突然来てどうしたんだ君は。じゃあってなんだじゃあって。文脈をちゃんとしてくれ。
「えーっと、さっき俺の中で結論が出て、人妻じゃなきゃ俺を癒せない!って思ったんだけどさあ、本丸には人妻なんていないじゃん!ってなって、じゃあ主に人妻の代わりしてもらおーと思って。」
主をそんな理由で使うの!?
「そんな理由ってなんだよー!俺の精神状態は大事じゃないって言うの!?」
いや、大事ですけれども。
「あーもーじれったい!ハイぎゅー!!!」
ぎ、ぎゅー?
包丁くんが勢いよく抱きついてきた。おずおずと自分よりも小さい体を自分の腕に収まるように抱きしめる。それにしても「人妻っぽい」ってなんだ?こんな感じかな?
ほ、包丁くんは頑張っててえらいね。出陣とか、頑張ってるの見てるよ。いつもありがとう。
「!!···えへへ、そーだろ!俺、すごいだろー!」
それに応えるように、頭を軽く撫でた。
「ねえ、主。俺、考えてるんだけど、主はいなくなっちゃうでしょ?いなくならない方法ないのかなって」
無いんじゃないかなぁ?遺体だってホルマリン漬けにでもしない限りは保存できないだろうし······いや、リアルネ○ロの花嫁とかはしないでね!?エンバーミングとか冗談じゃないから!!
「その主の言うほるまりん···とかねくろ?とか、えんばー···なんとかはわかんないけど、主はずっとおいておけないんでしょ?」
肯定の意味を込めてまた頭を撫でる。
「そっか、うーん、じゃあ!主は居なくなるまで俺たちから離れないでね!!拒否権はありませーん!」
うん、私もそのつもりだよ。と返す。
「やった!約束だぞ!!」
お互いの小指を絡ませて、約束した。
「ね、主。カミサマとの約束、破っちゃ駄目だよ?」
包丁は明るい茶色の瞳を細めてくすくすと笑った。
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作者名:紺碧 | 作成日時:2023年2月20日 9時