この手の隙間からこぼれ落ちないように【刀剣乱舞/だきしめて】 (ページ4)

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信濃藤四郎ページ4

「あ、たいしょー！」

信濃がたたっと走り寄ってきた。

「懐、入ーれてっ！」

はい、と腕を広げれば、

「わぁーいっ！！」

と抱きついてきた。わあ可愛い。

「んふふ、大将の懐、あったかい。」

とにこにこ笑う。可愛すぎるでしょ。

しばらくぎゅうぎゅうと抱き合っていると、不意に信濃が口を開いた。

「大将はさ、人間だからすぐ死んじゃうでしょ？なんで人間って死ぬのかなって考えたんだけど、わかんなかった。なんでかな？」

それはきっと、と言ってから一拍置く。

世界の均衡を保つためじゃないかな。君の前の主もさ、もう亡くなられているでしょう？あの織田信長だって本能寺の変で亡くなっている。信長なんて、今の時代を生きていたら覇権を握っているんじゃない？長生きすればするほど知識は多くなっていくから、昔に生まれた人が有利な社会になっちゃうんじゃないかな。なくなるものがなんであろうと、形あるものはいつか壊れるんだよ。それがどれだけ強かろうが、なくなる時はなくなる。それが世界の摂理、ってものじゃないかな、と私は思うよ。

「……そっかあ。大将も、いつかはいなくなっちゃうんだね。こんなに元気なのにね。」

うん、と頷いて、信濃を優しく抱きしめた。

「寂しいよ、大将。」

信濃は、私の体に顔を押し付けて、ぽつんと言った。