鶴丸国永 ページ3
「、主!」
いつも飄々としている鶴丸が、寝間着姿のまますっ飛んできた。どうしたの!?と聞けば、はっとしたように目を見開いて、ほっと息を吐いた。
「いや、···きみが、俺たちを置いて居なくなってしまう夢をみたんだ。いやぁ、格好悪いな、我ながら!」
あっはっは、と豪快に笑うさまはいつもの鶴丸だったが、いつもより青白い顔と着崩れた着物が普段とは違うことを明確に物語っていた。
私は無言で鶴丸のことを抱きしめた。
鶴丸は、ビクッと肩を跳ねさせたあと、恐る恐る背中に手を回してきた。
トクントクンと脈うつ音が耳に響く。
ね、生きてるでしょ?と言えば、鶴丸が頷く気配がした。
それから、少し震える声で、問うた。
「なあ、俺は、きみを守れているか?」
うん、守れてるよ。
「きみは、いつか死ぬのか?」
残念ながら、いつかは死ぬよ。
「そうだよな、ああ、うん。…俺は、いつかくるはずのきみの死が怖いんだ。今は人の身を持っているというのに、『死』だけからはきみを守れない。また、主の墓に入るのは、嫌だ。それだけが、今いちばん怖い。」
そっか。
鶴丸は、ぎゅっと腕のなかの私を確かめるように、力を強めた。
鶴丸が落ち着くまで、私は鶴丸を抱きしめ続けていた。
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作者名:紺碧 | 作成日時:2023年2月20日 9時