この手の隙間からこぼれ落ちないように【刀剣乱舞/だきしめて】 (ページ15)

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山姥切長義ページ15

「で、何かな？主。」

他の刀に伝言を頼んで、長義を呼んでもらった。

突然呼び出してごめん………パソコンが変な挙動するようになっちゃって。
直したりできないかな…？

「まったく主は仕方ないね、俺が直してやろう！」

長義が目にも止まらぬ速さで私にはわからない作業をしたら、パソコンが先程の不調なんて無かったかのように元に戻った。
すごすぎる……。
感動して思わず長義に抱きついた。

ありがとう！！あと提出するだけってとこでこんなことになっちゃって！！助かったよー！

「っ、こら！主、女性がそう無闇矢鱈と抱きつくものではないよ！………はぁ、まあこれは今回の報酬として受け取っておこうかな。」

ぽんぽん、と優しく背中を撫でられる。
長義の顔を見上げると優しげな顔をしていて、少し見惚れてしまった。

ああ、ずっとこうして幸せであればいいのに。
ふとした瞬間に考えてしまう、このひとが死んでしまう未来を。
ただの刀剣男士である俺に出来ることはとても少ない。隠してしまうのが一番手っ取り早いのだろうが、政府に全面的に禁止されている。これを使うのは最終手段だ。

俺に笑いかける主の顔を見て、少し安堵する。
大丈夫、まだ時間はある。これからゆっくり考えていこう。