夏祭りのなるせくん 3 ページ27
屋台を一件一件見る。
『よし！行こう！！』
な「…って、待て！」
人混みに飛び込もうとしたところをなるせに止められる。
『何？今更やっぱ行かないとか無しだよ』
なるせはため息を吐く。
な「流石にそんなこと言わねぇよ。ただ、逸れると面倒だから、手、繋ごうと思って」
そう言って私の手を、暖かいい手でギュッと握った。
『よし。行こう」
な「どこ行く？」
『綿飴食べない？』
な「ん」
それから、休憩をとりながら林檎飴や糸引きくじ、金魚掬いなどをまわった。
───────────
─────
『あ、もうそろそろ花火だ』
賑わいが増してきた頃、私は顔を青白くさせているなるせに言った。
ちょっと振り回しすぎたかな。
『静かなところだから、花火が始まるまでに早めに移動してそこで休もう』
なるせは頷き、私が優しく手を引っ張ると素直についてきた。
屋台の並びを出て、右に曲がって裏手に行く。
細い道と石畳の階段を登って行くと丁度お祭りの中心となっている神社に着いた。
人はまばらにいるものの、会話までは聞き取れない。
『そこ座ろ』
石垣の上を指す。
なるせは器用に登ると腰を下ろし、足をぷらぷらさせた。
私も登ろうとすると、なるせが手を伸ばして引き上げてくれた。
丘の上に聳える神社のため、石垣に上がれば夜景をのぞめる。
高層ビルや、コンビニの点々とした灯りの中に、オレンジ色の屋台の灯りが一本の線を引いていた。
な「すっげ」
なるせは前のめりで食い入るように見た。
そんななるせを横目で見る。
今日来れて、本当によかった。楽しかった。
バン！！
突然、肺まで振動させる大きい音が鳴り、慌てて上を見るとさっきまで黒かった空に花火が消えていっているのが見えた。
『わぁ』
ピンク、青、白
色とりどりの花火がどんどん打ち上げられていく。
隣りを見ると、なるせはボーっと私を見ていた
『どうしたの？』
な「なんて？」
『何で私の事見てるの！？』
な「え？」
私の声が花火の音でかき消されているようだ。
ダメだ。このままではムードをぶっ壊す。
私はなんでもないと首を振り花火を見た。
一際大きな大輪が夜空に咲き、キラキラと消えていく。
な「綺麗だな」
そう、なるせの呟きが聞こえた。
ま「夏祭り…」
ふと目に止まった、電柱の張り紙を見る。
夏祭りの宣伝だった。
Aちゃんと行きたいな。浴衣姿、見てみたい。
人混み苦手だけど。
張り紙の写真を撮った。
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カバヤキ(プロフ) - ありがとうございます！！是非、楽しみにしていて下さいね！(コメント返せるようになりました！) (2021年5月28日 15時) (
レス) id: ed7878be4d (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - 続編おめでとう！新作も楽しみにしてます！なるせくんが出ない理由気になる... (2021年5月27日 20時) (レス) id: ccb1d0def4 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - いえいえ〜物語作るのうまくてすごい！私別の夢小説で更新してるけど全然みてくれないし泣 (2021年5月23日 23時) (レス) id: ccb1d0def4 (このIDを非表示/違反報告)
ルコふぃまてりぃ - 誰なんだ！！！ぶつかってきたのは！！モブ？河本さん？それともnqrseくん？予想は………わからない…… (2021年5月16日 15時) (レス) id: 15224720b1 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - 53位おめでとう！ (2021年5月13日 20時) (レス) id: ccb1d0def4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カバヤキ | 作成日時：2021年3月25日 16時
