【wrwrd!】狐と我々【男主】【軍パロ】 (ページ8)

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痛みは襲ってこなかった。
目を開けると、ナイフを持って驚いた顔をした男が立っていた。

？「…避けへんのや」

『…俺にあれが避けれるとでも？』

？「だってお前…え？」

『…言っておきますけど、俺はただの一般人です。…貴方が路地裏で倒れていたので…助けただけです』

？「…なんや、そういう事か。警戒せんでもよかったんや」

そう言って、彼はナイフを仕舞い、ほっと胸を撫で下ろした。

？「俺は…ザックっていうんや、よろしゅうな！」

『…ノア、だ。よろしく、ザック』

名乗るまでに間があったのをみると偽名っぽいが、それはそうだろう。
そんな簡単に名前なんて教えたら駄目だからな。
俺も一応偽名で答えておいた。
まだ彼…ザックの警戒は解けていないが、そういうものだろう。

『…飯、食う？』

za「！…おん！」

さっき作っておいたお粥を温め直してザックに出す。
結構の間何も食べていなかったのだろうか、ザックは凄い勢いでお粥を掻き込んだ。

『…もう一杯食う？(…めっちゃ食いよる)』

za「うん！(カッコの中見えてんでw)」

無邪気な子供のようだと思ったが言わないでおこう。

za「ふぅー、食った食った」

『…口に合ったなら何よりだ』

za「そいえばさ、ここってどこなん？」

『…我々国の○○町から徒歩30分くらいの所の森の中だ』

za「ふぅーん。ノアはそんなとこ住んで不便とちゃうん？」

『…別に。俺はずっとここに住んでいる訳でもないし』

za「どゆこと？」

『…色々なところを旅してる』

za「そっか」

旅人ということにしておけば疑われないだろう。

za「…あのさ、左目って…」

聞いても良いのか分からんけど、といって聞いてくる。

『…気になるよな。生まれつきだ」

za「…そっか、なんかごめん」

謝る必要なんて無いのに。

『…そういえばザックはなんで倒れてたの？』

話題を変えるために尋ねる。
まあ実際気になるしな。

za「あー俺任務の帰りで…って、俺早く帰らんとあかんかった！…っ！」

『…まだ傷が痛むんだろ。治るまでここにいろ』

za「でも…」

『ザック』

za「…分かった。なんかすまんな」

優しいなぁと呟いていたのは聞こえなかったことにして部屋に戻った。
服の上からネックレスを握りしめる。

俺は優しくなんてない。

だって…

俺は…

親友を…

za「ノア～！ちょっと来て～」

『…今行く』

…こうして今も罪を償おうとしている。
何も変わりはしないのに。