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em「Aさんは、読書などするんですか？」
俺の前に紅茶を置きながら聞いてくる。
『…それなりに』
em「どう言うジャンルを読みますか？」
『…ミステリー。エドガー・アラン・ポーをよく読む』
em「そうなんですね」
こんな調子で、エーミールが質問して俺がそれに答える感じで会話が進んでいった。
内容は本の内容から政治のことまで、色々なことを話していた。
気付くと、知らない間に1時を過ぎていた。
『！…すまない、時間に気付かなかった。もう昼飯の時間だろう？』
em「大丈夫ですよ。私も楽しかったので」
『…昼飯の後、また話してもいいか？』
em「！はい、喜んで」
『…ありがとう』
そう言ってニコッと笑う。
エーミールに昼飯に行くかと聞かれたが、要らないと言うと、「では、本を読んで待っていて下さい」と言われた。
エーミールが出ていき、立ち上がる。
そして本棚に近づき、本を取り出す。
表紙には、「β国の歴史」と書かれている。
またもやあのことを思い出す。
頭に浮かぶ――の顔。
…あのことを忘れたいと思っている筈なのに。
まだ覚えていたいと思うのは。
――の絶望した顔を思い出して。
無残な姿になったみんなを思い出して。
口角が上がっているのは、何故？
ふと気配が近付いていることに気付き、慌てて本を棚に戻し、他の本を手に取る。
em「遅くなってしまってすみません。途中トントンさんに捕まってしまって…」
『…全然大丈夫だ』
その本を棚に戻し、先程座っていたところへ戻る。
そして、さっきと同じように会話を始めた。
その後、ずっとエーミールと話し、ふと見ると時計は6時を指していた。
『…もうそろそろ部屋に戻る。今日はありがとう』
em「こちらこそありがとうございました。…そうだ、これ」
そう言って差し出されたのは、アガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」だった。
『…貸してくれるのか？』
em「ええ」
『…ありがとう』
一礼して図書室をあとにする。
とても楽しい時間を過ごせたな、とふっと微笑んだ。
――――――――――
こいつら何時間話してんねんって思いましたよね。
すみませんネタが思いつかなかったんです(全力土下座)
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作者名：ゆい | 作成日時：2020年3月4日 13時
