道化師の仮面 No.2 (ページ17)

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cinquant-deuxー過去(森本編) ページ17

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高地side

「北斗泣かすなよ〜。」

北「えぇ、悪いの俺？？」

仕方ないじゃん…

えー、泣かないでよ〜

なんて今にも泣きそうなその子に話しかける北斗は

先程の殺気が感じられない

俺が話を聞こうと切り替えたから

北斗もそうなのだろう

…警戒はしてそうだけど

それは俺もだし。

「君、名前は？」

？「…。」

未だにだんまりを決め込むこの子に

(…さて、どうしたものか…)

別の手段を考えていたら

？「しんたろう…」(ﾎﾞｿｯ)

「…うん？」

森「森本、慎太郎…。」

やや脅えながらも

意志の強そうな瞳で名前を言ってくれた

そこから、慎太郎は話しにくそうに

でも、自分に降り掛かっている状況を教えてくれた

(…俺らが悪い人たちじゃなくて良かったね…笑)

話の概要はこうだ

ーーーー

…家が、家族が何者かに襲われた…

家族が、兄ちゃんが俺の身代わりになった…

友人に嵌められて、、、

…兄さんの友人で、俺にも優しくしてくれた人に。

……悔しい…

何も出来なかった。

俺の唯一の家族、

兄さん、連れていかれた…

俺、何も...

…何も出来なかった...。

ーーーー

話ながら、

彼の目に薄く膜を張っていたそれが決壊していた

頬を涙で濡らしながら話す慎太郎に対し

情が湧いてしまうのは

(…仕方の無いことか…。)

「…慎太郎。お前を助けておいてなんだけど、俺らには対応できないことみたいだ。」

森「え…。」

北斗が何か言いたそうだけど、知らないフリ

「その代わり、…俺の知り合いに腕利きの情報屋がいる。俺の紹介としてそこに行って。…きっと欲しい情報が得られるから。」

もし、お前が望むなら

「…そこで依頼すればいい。」

そう言って俺は、俺の拇印を押した紹介状を慎太郎に渡した。

北「うそつきじゃん。」

「この世にはついた方がいい嘘もあるよ。」

北「…知ってる。」

「じゃ、準備するか〜」

北「ほんっと、そういうとこ。」