俺はなんでこんなヤツを好きになったんだよ！3 (ページ7)

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テストまであと二週間とちょっと。

Aはまず早速俺にテキトーに配られてた問題集を解かせた。

「…まあ予想はしてたけど」

バツばっかの真っ赤な俺の解答を見てAはため息を吐いた。

当然の反応なんだけど俺は逆上してしまう。

「しょ、しょうがねぇだろ！英語は読めないし数学の公式は全然覚えてねぇし…」

「お前は圧倒的に基礎力が足りてない」

右手に待ってた問題集をバッと机に投げ捨ててAは辛辣な口調で言った。

「頭の中で覚えてる単語の数と公式の種類が少ないから比較的に易しい基本問題も解けないんだ」

「き、基礎力…」

「暗記をサボってたツケだ」

こいつホント、ズバズバ言いやがって…！
(お前は圧倒的に人間性が欠けてるけどな！)

ムカっとしてる俺に対してAは単語帳を投げて言った。

「単語の暗記は個人でもできる。明日までに100個覚えてこい」

「ひゃ、ひゃっこ！？英語の単語をひゃっこも！？それを一晩でやれってのかよっ」

あまりにも無理難題に俺は叫んで立ち上がった。

「無茶だそんなの！できるわけねぇだろ！」

「覚えられないんだったら話にならない」

「だけどっ…」

「やれ。できそうなものばっかりやってるんだったら、できないものはずっとできないままだ」

Aはそう言うとバックを肩にかけて俺に背中を向けた。

「お、おいっ…」

正論言われてなにも言い返せなかったけど俺はあいつを引き留めようとする。

Aは振り返らず足早に教室を出ていった。

・・・

俺は家に帰って机の上の単語帳を睨みつける。

「……あしゅーむ…てぃゔぉーと……」

意味わからないアルファベットの連なりをテキトーに発音していく。

「…やっぱ、むりだぁ…！」

だけどすぐギブアップして俺は机の上に伏せた。

だいたいこんなの無茶だって。前回のテストで俺は赤点をとったんだぞ。そんな男に一晩で100個覚えさせるなんて…

あー、腹減っな…

俺は目を閉じてため息を漏らす。
もう完全に集中力は切れてた。(集中なんてろくにしてないけど)

こう言う時は、ベットの下のえろビデオでも見て…

"できそうなものばっかりやってるんだったら、できないものはずっとできないままだ"

「……」

その言葉を思い出して、ベットの下に伸ばしかけた手を俺は引っ込める。

…覚えないとあいつにぶっ殺されそうだな。

「…はぁーッ。しょうがねぇ、やるか」

渋々俺は机の上の単語帳を見て覚えることに専念した。