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「買い物してんの偉いね」
『…まぁ、もう慣れっ子だよ』
俺と同じ類か、共働きか。どっちかだろうか、一方的には知っていたけど、名前を知ってまだ1時間も経ってない子の家庭にズカズカ足を踏み入れられるほどの鋼のメンタルはないし、非常識な人とも思われたくないから特に何も聞かなかった。
『知ってる?業、オクラが緑色のネットに入ってるのは色鮮やかに見せる為なんだって!』
「へぇ、すごいね」
ドヤ顔しながらそう解説するAに、何度目か分からない胸の高鳴り。俺Aと一緒にいたら、死んじゃうんじゃね?同じクラスじゃないのは、少しだけ嫌だったけど違うクラスで良かったかも。絶対集中出来ないでしょ。
『あとみかんも同じ理由らしいよ』
「他の野菜もネットに入れればいいのにね」
『…確かに…?業って頭いいね?』
「…え、それで判断される?」
『えへ』
はにかむAから目をそらす。と言うか、めちゃくちゃ視線感じるな。両性からの視線には気付いていないのか、はたまた慣れているだけか…多分前者な気がする。女性からの目線はいいんだけどねぇ…、多分物珍しさっていうか「あんな可愛い子いるんだ」って感じでしょ。
問題は、男からの目線でしょ?
「見ろよ、あの子すっげー可愛い」
「話し掛けるか?」
「いや隣のやつ彼氏だろ」
やっぱりね?うん、Aから目を離す訳にはいかないな。Aの事を好きになったきっかけもあまり宜しくは無い出来事からだったしね。
「(…罪な女ってこういう子の事言うんだろうね)」
可愛い見た目とは裏腹に、さっきみたいに飛び蹴りしちゃうような強さ。
そんな強さを微塵も感じさせない天然の入った言動。
笑った顔も、誇ったような顔も…まだ見た事がないけど怒った顔も、泣く顔も可愛いんだろうね。
泣く顔は見たくないけど、見たい。泣かせたいとかそういう訳じゃなくて、なんて言うかAの事は全部知ってたい。
「…長期戦になりそうだねぇ」
『何が?』
そう言って俺を見上げるその上目遣い、とんでもなく可愛いね。
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ゆあ(プロフ) - EOniさん» コメントありがとうございます!コナン編作成まで暫くお待ちください! (4月23日 23時) (レス) id: e604285060 (このIDを非表示/違反報告)
EOni(プロフ) - 凄い気になる最後でした!暗殺教室編お疲れ様です。コナン編も頑張って下さい! (4月23日 7時) (レス) @page50 id: 935574fa3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆあ | 作成日時:2023年7月14日 9時