#３９６ ページ8
『そのズボン、椚ヶ丘の制服だよね？何年生？』
「1年だけど…」
『なら同い年だ！』
同い年かよ…、いやこれで歳上だったらさらに驚くんだけど。というか同い年でも充分驚くんだけどさ。失礼すぎる事を考えていると目の前の彼女はバッグからハンカチを取り出して、俺の頬をそっと拭いた。
『赤髪かっこいいね、王子様みたい！私は降谷A、なんて名前なの？お友達になろうよ』
「赤羽業…だ、けど…」
「赤髪カッコイイ」とか、「王子様みたい」って言葉だけで舞い上がりそうだった。
『かるま…？なんて書くの？』
「業火の業」
『珍しい〜！！キラキラネームだね』
いつも通りの名前の説明に、そう返された。別に気にしてはいないけど何て言うか…うん、予想通りの子かも。そう思うと自然に笑いが出た。
「…ふっ、それあんま本人に言わなくない？」
『え、そうなのかな…？嫌な思いしちゃった？ごめんね』
その言葉に慌てて眉を下げて謝って来た。…なんて呼べばいいんだろ。多分苗字で呼んだら苗字で返される気がする。名前で呼ばれたい。そう考えて口を開いた。
「いーや？Aの苗字も珍しいよね」
『そうかなぁ…？業って呼ぶね』
「ん、いいよ」
『よろしくね、業』
「うん…」
ポーカーフェイスが出来て、本当に良かったと思う。覚えられてないのは、当たり前だと思う。顔もちゃんと見てないしね。色んな学校があるのに、椚ヶ丘で再会出来ただけ奇跡だ。
エコバッグを持っているのに気がついて、問いかけた。
「買い物途中？」
『うん！業も行こうよ〜！』
「仕方ないなぁ」
良い事なんだけど、良くないな。もしこれで俺じゃない他の男子だったら、同じ様な事してたって訳でしょ？でもな、別に俺「他の男子と絡まないで」なんて言えるような立場じゃないし…あ、そうか。言える立場になればいいのか。
『業何組？』
「俺D組」
『ええー、違うクラスじゃん』
「何組なの？」
『私A組』
「…やば」
特進クラスじゃん。頭良くて、容姿も良いってマジで何が起きてんの？こんな子、モテるに決まってんじゃんね。
『え、入学式いたっけ…？業くらいかっこいい人なら見たら覚えてるはずなんだけど？』
「入学式サボったから」
『あれ、さては悪ガキだな…？』
「同い年ね」
この子、天然だ。一番タチが悪いやつ。「かっこいい」って言葉も本心。親は苦労するんだろうな。
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ゆあ(プロフ) - EOniさん» コメントありがとうございます！コナン編作成まで暫くお待ちください！ (4月23日 23時) (
レス) id: e604285060 (このIDを非表示/違反報告)
EOni(プロフ) - 凄い気になる最後でした！暗殺教室編お疲れ様です。コナン編も頑張って下さい！ (4月23日 7時) (レス) @page50 id: 935574fa3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆあ | 作成日時：2023年7月14日 9時
