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#394 ページ6

眠りについたAをじっと見つめる。青く澄んだ瞳が見えないのは少しだけ残念かな。


___『業は、魔法使いみたいだね』


開いてるのか開いてないのか分からない目でにへぇと笑って、そう言ってきたA。その後言った「何にでもなる」って言葉は、嘘じゃない。柄じゃないけど、Aの為なら俺が持つ全ての権力を酷使出来る。

そう思えるのは、もちろんAだけ。他の人には興味無い。5歳の時からずっと好きだったから、もう10年?俺ってすげー一途じゃね?


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5歳の時に親に、無理やり連れてこられた夏祭り。


「業〜、なんか食べたいのある?」

「焼きそば」

「よし父さん買ってくるからな。母さんといるんだぞ」

「俺もう5歳だけど」


頭をぽんぽんと撫でられて、気恥しくなった俺は俯いた。俺の両親は世間で言う親バカ。並ぶ父親を横目に母親と待っていると、何処からか泣き声が聞こえてきた。


「かーさん、なんか聞こえない?」

「…ん?何かって?」

「…何か、泣き声する」

「迷子かな?」

「ちょっと行ってくる」

「え!?ちょ、業!?」


まだまだ小さくて未熟だったその体は、人の波の間を掻い潜る事が出来て泣き声の主の所まですぐに向かえた。
出店が並ぶ反対は、人の混雑が無くて人通りも少ない。


「お嬢ちゃん、はぐれちゃったのかい?おじさんと一緒に行こうか?」

『や、!触らないで!!』


小太りのおっさんに手を引っ張られる、濃い色の浴衣を着た日本人離れした容姿の子。星のように煌めいて、太陽のように輝く綺麗な纏められた金色の髪の毛。どこまでも広がりそうな空みたいに、綺麗な大きい青い瞳に目を奪われた。


「…すっげー、可愛い」


そんな言葉が思わず溢れる。引っ張られて何処かに連れ去られようとするその光景に、一気に現実に引き戻された。
おっさんに思いっきり殴り掛かって、口を開いた。


「何してんだよ、おっさん。大丈夫だった?」


おっさんはそそくさと逃げてった。強そうな口調とは真反対で、プルプル震えるその体をどうすることも出来なくて、さらに声をかけた。


「整った顔してんだから、気をつけないとね」


世の中で言う一目惚れって奴で初恋と言う奴だった。遠目からでも堕とされたその顔を、間近で見たら死んでしまうのではないか。そんな思いから、俺は彼女が顔を上げる前に立ち去る事にした。


「また、どっかで会えないかな」


それがまさか長期戦になることも知らず、呑気にそう思った。

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ゆあ(プロフ) - EOniさん» コメントありがとうございます!コナン編作成まで暫くお待ちください! (4月23日 23時) (レス) id: e604285060 (このIDを非表示/違反報告)
EOni(プロフ) - 凄い気になる最後でした!暗殺教室編お疲れ様です。コナン編も頑張って下さい! (4月23日 7時) (レス) @page50 id: 935574fa3d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆあ | 作成日時:2023年7月14日 9時

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