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___翌日。
「それでは、入ってきてください!」
殺せんせーの言葉で全員の目線が、教室のドアの方を向いた。ガララッと開いたドアから入ってきたのは、Aちゃんだった。
「(なんで…!?)」
E組に落ちるような成績では無い彼女が、どうしてE組に…?それはクラス全員が思っていた事だった。
「A組から来た、降谷Aさんです。皆さん仲良くしてください」
「「「「ええええええ!?!?!?!?」」」」
僕達の驚愕の声にAちゃんは、耳を塞いだ。
『初めまして、…あ、いや初めましてじゃない、?
えと、降谷彩花です、よろしくお願いします』
Aちゃんと同じクラスになるのはこれが初めてだ。どんな学校生活になるのか気分が上がった。
Aちゃんが僕の事を見て話しかけてくれた。記憶に残っているだけで十分だ、沢山話せる。もしかしたら、Aちゃんと付き合えるかもしれない。そんな事を思っていると殺せんせーが口を開いた。
「席は業くんの隣です。わかりますか?」
『あ、はい。大丈夫です』
「……………」
机の上に置いていた手をぎゅっと握りしめた。
そうだ、このクラスには業くんがいる。
「久しぶりだねぇ、彩花」
『そう…だっけ?いや久しぶりじゃないよ昨日コンビニで会ったじゃん』
「えー、そうだっけ?彩花小さいから分からなかったなぁ」
『おー、よく言いますねぇ。喋りかけてきたのはそっちですけどぉ?』
「何そんな見つめちゃって、俺に惚れちゃった?」
『はぁ?んなわけないでしょうが、なんか変わったなって思って。』
「え?」
『ん?何?』
「何でもないけど」
分かっていた。分かっていたんだ。期待なんて最初からしていなかった。勉強も運動もそこそこな僕、勉強も運動もそつなくこなしてしまう業くん。この恋が叶う確率は0%だ。
.
.
.
___そして迎えた、あの日。
「そうだね。あ、A」
『…ん?』
業くんに呼び止められて、Aちゃんが振り返った。
「後で話したいことがあるんだけど」
『…ん?今じゃダメなの…?』
「みんなの前で好きって言われたいならいいんじゃない?」
さすが、業くんだ。僕だったらあんなにスマートに告白する事は出来ない。
2人の距離はイトナくんが来た後くらいから近づいていた。多分あの日に2人で何か話したのだろうか。
『彼女にしてくれますか』
そんな可愛い顔、ぼくがしてやりたかった。
「(おめでとう。好きだった人)」
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ゆあ(プロフ) - EOniさん» コメントありがとうございます!コナン編作成まで暫くお待ちください! (4月23日 23時) (レス) id: e604285060 (このIDを非表示/違反報告)
EOni(プロフ) - 凄い気になる最後でした!暗殺教室編お疲れ様です。コナン編も頑張って下さい! (4月23日 7時) (レス) @page50 id: 935574fa3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆあ | 作成日時:2023年7月14日 9時