#２９５ ページ5
スズランの花言葉は、「幸福」「再び幸せが訪れる」という。それを花屋さんに聞いて、スズランを選んだ。
「(2人に再び幸せが訪れたらいいのになぁ、いや？もう訪れてるかな？お姉ちゃん)」
旧校舎の前で手を合わせていると、後ろから声が聞こえてきた。
「よう、朝ドラ女優」
振り向くと、そこにいたのは私のかけがえのない友達。
「……皆!!」
7年前よりも随分成長した皆。桃花ちゃんが私に話しかけた。
「それ衣装？忙しいのに平気なの？」
「うん。休憩時間に抜け出してきたの、いつも皆に任せっきりじゃ悪くて…」
「そんじゃ、早速「手入れ」始めるか!!」
この校舎の鍵は磯貝くんとAちゃんが持っている。
いつもの様に床を拭いたり、黒板を綺麗にしたり窓を磨いたり…殺せんせーがやったのと同じように皆で丁寧に「手入れ」していく。
防水ニスを塗っていた私に、寿美鈴ちゃんが話しかけた。
「まぁー、しかしビッグになって。茅野ちゃん」
「そりゃな。ルックスはあるわ、演技力はあるわ、アクション出来るわ、30mの崖から笑顔で飛ぶわ。売れねぇ方がおかしいぜ」
「いやいや、中学の遺産に頼ってるだけで…。あと岡島くんローアングルから撮ってないで撮影しよっか」
7年経っても変わらない皆に心が安らぐ。
お墓とかは無くていいとみんなが言った。だって、いなくなった気がしないから。
この校舎はきっと2人がいるところ。
いつでも皆が帰ってくるところ。
休憩をとろうと皆で教室で談笑をする。
「保存だけじゃなく、ここの有効活用も考えなきゃなー。皆が就活で忙しくなる前に…」
「岡野なんかは裏山使ってるぜ。体育大でアクロバットのパフォーマンスチーム作ったんだけど、ここ以上に慣れた練習場は無いってさ。倉橋も子供集めて自然体験ツアー開いて稼いでるって」
「…あいつ、昔から小銭稼ぐの上手いよな」
愛美ちゃんと竹林君への殺せんせーのアドバイスブックには殺せんせーの活性粘液のレシピが書かれていて、2人はそれをヒントにどんな血液型にも輸血できる人工血液を開発中だ。
杉野は大学野球のエース級。自在の変化球はプロのスカウトも見に来るほど。
寺坂は、根性と体力をとある政治家先生に買われてるって。大学を出たら私設秘書からスタートかな。
吉田君、村松君は、実家を継ぐみたい。
イトナ君は、高卒後すぐに実家の工場へ。「また工場が経営で困ったら？」「村松と吉田の手を借りる」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 224人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆあ(プロフ) - ミルメークさん» コメントありがとうございます！！妹ですか…、了解しました！落ち着いたら描きますのでお待ちください(*^^*) (3月30日 14時) (
レス) id: 055e3334f7 (このIDを非表示/違反報告)
ミルメーク(プロフ) - 次は浅野くんの妹をイメージして作って欲しいです！ (3月14日 2時) (レス) id: b3b06100e3 (このIDを非表示/違反報告)
ミルメーク(プロフ) - お疲れ様でした！次回作も是非作って欲しいです！！！ (3月7日 22時) (レス) @page18 id: b3b06100e3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ(プロフ) - エリザベス四世さん» わざわざ長文でありがとうございます!!とってもモチベになります。後日談も出す予定なのでお待ちいただけますと幸いです!! (12月1日 7時) (レス) id: e604285060 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ(プロフ) - 莉星さん» ありがとうございます!!後日談も出す予定なのでお待ちいただけますと幸いです!! (12月1日 7時) (レス) id: e604285060 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆあ | 作成日時：2023年11月27日 22時
