#１５５ ページ9
その言葉に誰もが眉を顰めた。イリーナも驚いたように死神の方を見ている。
「さっきのAさんの推理とっても感激してね!!確かに君はこの教室の生徒ではないし、可哀想だと思うんだ」
『………？』
「だからね、Aさん。君が僕の味方になると言うのなら彼等を解放してもいいけどね」
『…は…？』
「聡明な生徒である君ならば、どちらが有利か分かるんじゃないか？」
皆の目線が私に向けられた。
『ﾊｯ…。ふざけないでくれますか？そんな事言って私が素直に応じるとでも？』
「おや…？ただの後輩の先生の巻き添えを喰らっても君は構わないのか？」
『ただの後輩ならどんなに良かったでしょうね。でも、ただの後輩じゃない。ここにいる貴方
「「「「Aちゃん/先輩/姐さん!!!」」」」
「「「「かっけぇ!!!!!!」」」」
「か、かっこいい…」
ｷｯ…と死神を睨んでそう言うと、死神はふわっとまた笑った。
「…そうか。残念だなぁ。じゃあいいや、来いイリーナ。今から操作室を占拠して水を流す」
烏間さんが死神の肩を掴んだ。
「…なんだいこの手は？日本政府は僕の暗殺を止めるのかい？確かに多少手荒だが…、地球を救う最大のチャンスをみすみす逃せというのかな？
そもそも烏間先生。本当なら君を倒して人質に加える予定だった、君の腕ではこの僕は止められないよ」
「………」
少しの間が空いて、烏間さんは息を吐いた。決意したように顔をｷﾘｯとさせて死神をぶん殴った。
「…日本政府の見解を伝える。27…いや、28人の命は地球より重い。それでもお前が彼等ごと殺すつもりならば俺が止める」
「「「「『烏間先生/さん!!!!』」」」」
「(か、かっこいい…!!)」
『…かっこいい』
陽菜乃ちゃんに至っては、目をハートにさせていた。
「…へぇ」
「言っておくがイリーナ、プロってのはそんな気楽なもんじゃないぞ。どうする？死神。生徒ごと溺死させるこの暗殺計画続けるなら俺はここでお前を倒す」
「…………」
じっ…と烏間さんを見守る死神。次の瞬間、ｺﾞｩｯ…と扉から出ていった。それをすかさず追いかける烏間さん。
「烏間先生!!トランシーバーをONにして!!」
「…カレを倒そうだなんて無謀ねぇ。確かにカラスマも人間離れしてるけど、カレはそれ以上。このタコですら簡単に捕まえたのよ」
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作者名：ゆあ | 作成日時：2023年10月30日 18時
