#１５４ ページ8
穴の縁を掴もうとした触手を、ﾋﾞｯと撃たれる。
動く触手を正確に撃ち抜く死神。
「(しょ、触手を
死神のスキル。すれ違う新幹線の
落とし穴を使った暗殺など、殺せんせーには効かなかったが死神はそれを易々とこなしてしまう。殺せんせーの体は、生徒達がいる檻の中へ落ちていった。
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ﾎﾞﾄｫｯと大きな黄色い巨体が落ちてきて、目を開いた。誰もが反応出来ないでいる中、檻の壁伝いにある扉が開いた。
「気に入ってくれたかな殺せんせー？君が最期を迎える場所だ」
「…皆さん、ここは…？」
殺せんせーはキョロキョロと見回す。
「洪水対策で国が造った地下放水路さ、密かに僕のアジトと繋げておいた。地上にある操作室から指示を出せば、近くの川から毎秒200tの水がこの水路一杯に流れ込む。
その恐るべき水圧は君の体から自由を奪い対先生物質の頑丈な檻に押し付けられ君はところてん状にバラバラになるって寸法さ」
「………!!」
『………』
その惨い計画に誰もが息を飲んだ。
「待て！生徒ごと殺す気か!?」
「当たり前さ、もう待てない。
生徒と一緒に詰め込んだのも計画のうちさ、乱暴に脱出しようとすればひ弱な子供が巻き添えになる」
「イリーナ!!おまえ、それを知った上で…」
「…プロとして、結果優先で動いただけよ。あんたの望む通りでしょ」
「……!!」
その言葉に、烏間さんは何も返さなかった。
「ヌルフフフ。確かに厄介な対先生物質ですが、私の肉体は遂にこれを克服しました」
「…本当？」
『殺せんせー!!』
やっぱりすごい…!!
「初めて見せますよ、私のとっておきの体内器官を!!」
ペロペロペロと檻を舐め始めた殺せんせー。
あ、うん…？なんて言うか？
「いや、確かに殺せんせーのベロ初めて見たけど!!」
「消化液でコーティングして造った舌です。こんな檻など
「「「「おせーよ!!」」」」
「…言っとくけど、そのペロペロ続けたら全員の首輪爆破していくよ」
「ええっ、そ、そんなぁ!!」
『当たり前ですよ、殺せんせー…』
「「(……!!
殺せんせーもこうもあっさり捕まっちまうなんて!!全部コイツに狩られるのかよ!!賞金も俺等の命も!!)」」
「…そうだね、確かに中学3年生の彼等には酷かもしれないな。こんな怪物の巻き添えを喰らうなんて」
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作者名：ゆあ | 作成日時：2023年10月30日 18時
